• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 【独占激白】なぜ横浜DeNA三浦監督は沖縄キャンプで長時間“猛練習”を廃止したのか…「優勝したヤクルトとの8ゲーム差を埋めるために何が必要かを考えてきた」
就任3年目の横浜DeNA三浦監督(写真・黒田史夫)
就任3年目の横浜DeNA三浦監督(写真・黒田史夫)

【独占激白】なぜ横浜DeNA三浦監督は沖縄キャンプで長時間“猛練習”を廃止したのか…「優勝したヤクルトとの8ゲーム差を埋めるために何が必要かを考えてきた」

 昨季は巨人、阪神、中日には勝ち越したが、ヤクルトに9勝16敗、広島に8勝17敗と大きく負け越した。対広島では先発が崩れる試合が目立ち防御率は4.93と悪かった。その差を埋めていかねばトータルでヤクルトとの「8」ゲームを埋めることができない。
 そして今キャンプでは具体的に3つのテーマを掲げた。
 投手陣は「3球目までのストライク先行」、野手陣には昨季.308(リーグ4位)だった出塁率を「.320以上でリーグトップ」、そして全員に「走塁の意識アップ」を示した。走塁に関しては盗塁以外の走塁でのチーム貢献度を示すセイバーメトリクスの指標であるUBR(アルティメット・ベースランニング)の数字を昨季の5.4(リーグ4位)から向上させる数値目標がある。三浦監督は、球界屈指のITデータ班R&D(リサーチ&デベロップメント)、アナリストらと相談しながら、それらのデータを最大限に活用して、投手、打撃、走塁の3つに「低すぎてもダメだし、現実味がないと選手に伝わらない」という数値を出した。
 昨季もキャンプから「投手には80%の確率で投手有利のカウントを作る」、「走塁はひとつ先」、「進塁打などのチームバッティングのスキルアップ」などのテーマに取り組み、与四球数や、防御率、犠打数、盗塁数、打者の三振数、四球数などに劇的な成果があったが、出塁率は.320から下がり併殺打も107から109に微増するなど、課題も浮き彫りになった。
「打撃コーチが色々と工夫してくれています。四球を選ぶボールの見極めの能力のアップもそうですが、デッドボールで出塁するのもひとつの手段、もちろんヒットを打てば出塁率は上がる。求められるものは選手によって違いますが、どう塁に出るかの意識を持ってもらいたい」
 また走塁に関しては、田中、小池の両コーチの指導に加えて4度盗塁王タイトルを獲得している元西武、巨人の片岡保幸氏を臨時コーチに招き、盗塁テクニックなどを伝授してもらっているが、「盗塁数は目立つかもしれないが、UBRは、それ以外の数値で、昨年はひとつ先の塁を意識することをテーマにしました。今年は2つ先を意識してもらう。昨年から足が遅いから走らなくてもいいはやめようという話をしています。遅くてもひとつ先を意識。長打力を求められているソトも取り組み、アウトになることもあったが今年もその意識を持ってもらいます」という。
 ソトや宮崎ら足のない選手も例外ではない。
 横浜DeNAは、2023年の“初陣”となる12日のヤクルトとの練習試合に若手中心のメンバーで臨み1―10の黒星スタート。今日16日にはロッテとの練習試合が組まれている。
(次回に続く)
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

関連記事一覧