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井上拓真が兄の尚弥が返上したWBA世界バンタム級王座決定戦で40歳のベテランのソリスと対戦する
井上拓真が兄の尚弥が返上したWBA世界バンタム級王座決定戦で40歳のベテランのソリスと対戦する

井上拓真は4.8有明で兄が返上したWBAベルトを継承することができるのか…相手は山中慎介氏や亀田大毅氏と激戦を演じた40歳の“超ベテラン難敵”ソリス

 那須川天心(24、帝拳)のボクシングデビュー戦で注目を浴びている4月8日、有明アリーナでのメガ興行で、前4団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)が返上したWBA世界バンタム級の王座決定戦が行われ、元WBC世界バンタム級暫定王者で同級2位の井上拓真(27、大橋)と元WBA世界スーパーフライ級王者で同級3位のリボリオ・ソリス(40、ベネズエラ)がベルトを争う。井上は4年ぶりのタイトル戦で、ソリスは元IBF世界スーパーフライ級王者の亀田大毅氏(現在KWORLD3会長)や元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏(当時帝拳)ら日本人世界王者との対戦経験のあるベテラン。拓真は兄のベルトを継承することができるのか。

 「ベルトを獲って兄弟で世界王者になりたい」

 

「今、井上家にベルトがひとつもないんでね」
 言われてみればそうだ。
 スーパーバンタム級への転級を決断した兄の井上尚弥が先月4つのバンタム級のベルトを返上。9年前から井上家にずっとあった世界ベルトがひとつもなくなった。
 拓真は兄の4団体統一の夢を応援してきたが、一方で兄がベルトを返上するまで世界王座に挑戦できないというジレンマもあった。
「兄がやっとスーパーバンタム級に転級ということで待ちに待った世界戦です」
 その言葉に実感がこもる。
 拓真は2018年12月にペッチ・CPフレッシュマート(タイ)を3-0判定で下してWBC世界バンタム級のベルトを腰に巻いたが暫定王者。正規王者のノルディ・ウバーリ(仏)との統一戦は、兄がWBSSの決勝でノニト・ドネア(フィリピン)を破った2019年11月の興行のセミファイナルだった。 
 4ラウンドにダウンを喫して逆転を狙う最終ラウンドに追いつめたが、“引き出し”の少なさを露呈して0-3の判定で敗れ、以降、4年間、世界タイトル戦から遠ざかっていた。
 大橋会長は「弱い相手とはやらない」という井上家のモットーに沿い、日本人のトップボクサーを選び厳しいカードを組んできた。
 2021年1月にOPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太(一力)に挑戦して9回負傷判定で王座を獲得。11月には階級を一つ上げて世界挑戦経験のある”リーゼントボクサー” 和氣慎吾(FLARE山上)とWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王座決定戦を行い4回にダウンを奪い3-0判定で勝利。2022年6月には、日本スーパーバンタム級王者の古橋岳也(川崎新田)をシャットアウトした。そして昨年12月の兄が4団体統一を成し遂げた記念すべき興行のアンダーカードでジェイク・ボルネア(フィリピン)を8回TKOで下し、ついに世界の舞台に帰ってきたのである。
「(井上家の)先陣をきって、しっかりとベルトを獲って兄弟で世界チャンピオンになりたいという思いが強い。4月8日は何が何でも返り咲きたい」
 熱い決意だ。
 
 対戦相手は、当初、3位の40歳ソリスと4位の25歳メルビン・ロペス(ニカラグア)の2人が候補だったが、拓真は「2人のどっちでもよかった」と言う。最終的にランキングが上がった日本でも馴染みのあるベテランのソリスに決定した。
 45戦35勝(16KO)6敗1分け1無効試合のキャリアを誇るソリスは、日本のリングに3度登場している。2013年5月に河野洋平(当時ワタナベ)とのWBA世界スーパーフライ級の統一戦に2-0判定で勝利すると同年12月のIBF世界同級王者の亀田大毅との統一戦で計量に失敗して物議を醸した。王座を剥奪された状態で試合をして判定で勝利したが、IBF王者だった亀田のベルトの扱いが「負けたら空位」から試合後に「負けても防衛」に変わったことが大問題に発展。亀田家はJBCにライセンス更新を認められず、のちに法廷闘争に突入する大騒動につながることになった。

 

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