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フランクフルトの鎌田大地のドルトムント移籍話が消滅(写真:なかしまだいすけ/アフロ)
フランクフルトの鎌田大地のドルトムント移籍話が消滅(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

なぜ鎌田大地の異例大型契約でのドルトムント入りがほぼ確実になったのか…独メディアが5年の年俸8億6000万で合意と報道

 3つのクラブの具体名にはロマーノ氏も言及していない。ただ、フランクフルトとの契約延長に応じない鎌田をめぐっては、バルセロナ、ミラン、マンチェスター・シティやリバプール、トッテナム・ホットスパーのプレミアリーグ勢、さらにリオネル・メッシやキリアン・エムバペ、ネイマールを擁するパリ・サンジェルマンのビッグクラブが獲得へ動くと報じられてきた。
 ドルトムントの名前も、ポルトガルの名門ベンフィカ、プレミアリーグのトップ6以外となるニューカッスル・ユナイテッドやアストン・ヴィラとともにメディアには登場していた。しかし、表現は悪くなるかもしれないが、伏兵的な存在だった感は否めない。そのドルトムントとまさに相思相愛の形で、合意に達したとまで報じられたのはなぜなのか。
 PK戦の末にクロアチア代表に屈し、ベスト16で姿を消したW杯カタール大会を戦い終えた直後から、日本代表選手がビッグクラブでプレーする必要性を鎌田は説いていた。2026年の次回大会を見すえて、自らがビッグクラブの一員になる青写真も描いていた。
 サガン鳥栖からフランクフルトへ移籍したのが、21歳になる直前の2017年6月。期限付き移籍したシントトロイデンでの武者修行を経て復帰した2019-20シーズンから頭角を現し、注目を集める存在になった鎌田は、ステップアップに関してこう語っていた。
「タイミングなどいろいろな問題があるので、移籍に関してはただ単にステップアップすればいいという話ではない。サッカー界は流れが速いので、ある意味ではギャンブルみたいな部分もありますけど、小さなころからサッカーを続けてきた理由は自分の夢をかなえるためなので、そのために何が一番正しいのかを考えることが大事だと思っています」
 夢とはUEFAチャンピオンズリーグの優勝を狙えるチームで躍動する自分の姿であり、さらに自分が中心となってW杯優勝を目指せる日本代表を作り上げていく作業となる。そのなかで今年8月に27歳になるシーズンを、サッカー人生の正念場と位置づけた。
 ヨーロッパサッカー界では、30歳がひとつの節目としてとらえられる。ゆえにフランクフルトから移る新天地で失敗するわけにはいかない。その意味で計5シーズンにわたってプレーしてきたブンデスリーガ1部の舞台で挑戦を継続させた方が、ピッチ内でプレー強度や戦術的な傾向、外では文化や風習、習慣などに慣れている点を踏まえてもリスクは少ない。
 ブンデスリーガ1部全体のレベルに目を向ければ、現状では名門バイエルン・ミュンヘンが10連覇を継続している。その間にドルトムントは2位を6度マークし、2016-17シーズンからは最高峰の戦いとなるチャンピオンズリーグにも出場し続けている。

 

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