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阪神岡田監督のキャンプ総括は70点(写真・黒田史夫)
阪神岡田監督のキャンプ総括は70点(写真・黒田史夫)

なぜ阪神の岡田監督は沖縄キャンプの総括を「70点」としたのか…足りない30点とは?

 ただ一方で影の部分も残った。それがキャンプ採点のマイナス30点の部分。開幕までの最大の宿題は、令和版「JFK」の構想が形として見えてこなかったことだろう。クローザー候補の湯浅京己は、WBCの侍ジャパンに選出されたことで、少なくとも開幕後2、3週間は計算に入れることはできない。代役候補の1人だったカイル・ケラーは、26日の日ハムとのオープン戦で1イニングで3安打3失点と炎上して負け投手となり、未調整ぶりを露呈した。キャンプでも投げ込まずストレートの一本調子が治らない。新外国人のビーズリーへの期待感はあるが、彼もその試合で清宮幸太郎に一発を許し、試合後に右足への異変を訴えて帰阪。今後さらにペースダウンするだろう。オフに米国のトレーニング施設「ドライブライン」を訪れ、フォームをコンパクトに改造してきた浜地真澄も調子が上がってこない。

 実績十分の岩崎優が、この1か月でどこまで調整を進めることができるか。加治屋、富田らのブルペンに新戦力は出てきたが、岡田監督は、開幕までの限られた時間で、勝利の方程式をどう組むかを見極めねばならない。

 野手陣に目を向けると、まだ対外試合で1本のヒットも出ていない4番の大山に関しては凡打の内容やフリー打撃での形を見る限り心配はないだろう。不安なのは5番を任す予定の佐藤だ。1打席、1打席、ボールをコンタクトするポイントがバラバラで、いまのところ対外試合で結果は残しているが、半速球だから対応できたといった内容のヒットが多く、岡田監督が求める理想像にはほど遠い。今キャンプでは、グリップの位置を下げ、スタンスを広く、摺り足ステップに変え、重心を真ん中に置く新スタイルに取り組んでいるが、キャンプ終盤になるとグリップの位置が上がってくるなど試行錯誤の形跡が見える。佐藤も、また開幕までの1か月で今シーズンを戦う形を固める必要があるだろう。

 オープン戦は、3月4日の甲子園でのオリックス戦から再開するが、岡田監督は6日に京セラドームで行われる侍ジャパンの強化試合を境目に9日のオリックスとのオープン戦から開幕に向けての本格的な調整に入ることを明かした。

「侍のゲームには、なんとか(日本代表の)力になれるようにいいピッチャーを投げさせたい。そのゲームが終わってから(開幕から)逆算してピッチャーも投げさせていくようになると思う。徐々にみんながまたもう1段調子を上げていくようにやっていきたい」

 そこからの14試合で先発ローテーを開幕から逆算。岡田監督は、「敗戦処理投手はいない」の持論があるが、中継ぎ、抑えの人員配置の絞り込み作業に入る。

「これから徐々に実戦の中で、もっともっと選手も自信をつけていい結果を残してね。もっといい形でシーズンに入れるようにあと1か月やっていきたい」

 岡田監督は、テレビ用の総括会見で“アレ”を一言も言わなかった。真剣勝負モードに変わりつつある証拠だろう。 (文責・RONSPO編集部)

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