今日F1バーレーンGP開幕!参戦3年目の角田裕毅は今季こそ悲願の表彰台に上がれるのか…手応えを感じた2つの変化
いよいよ2023年のF1が今日3日のバーレーンGPから開幕する。先週のプレシーズンテストを終えて各チームが、それぞれ盤石の体制を整えているが、注目はF1参戦3年目を迎えるアルファタウリの角田裕毅(22)だ。昨シーズンの入賞回数は4度で最高位は7位に留まった角田だが今年こそ悲願の表彰台に上がることができるのか。バーレーンは昨年も8位に入賞した相性のいいコースだ。
改善されたアルファタウリのマシン
角田裕毅が変わった。
理由は昨年まで悩まされていたマシンの問題が改善されたからだ。昨年のアルファタウリのマシンは重量が目標よりも約10kg重く、空力的にも課題を抱え、コーナーが遅かった。
「昨年のクルマと比較して、いろんな部分が大幅に改善されているのがわかりました。昨年は高速コーナーでダウンフォースが足りなくてスライディングしていたのですが、今年はしっかりとアクセルを踏んでいけます」
そう言って、角田は笑った。
角田の言葉が嘘ではないことは、テスト初日に角田が出した1分34秒671というタイムからもわかる。1年前の2022年に同じバーレーンで行われたテストで角田は2日目に走ったのだが、そのときのタイムは1分36秒802だった。つまり、今年のマシンは昨年よりも、すでに約2.1秒速くなっている。
しかも、「テスト初日なので、まだクルマを限界で走らせているわけではないですが……」という状況だった。
テスト2日目にレースシミュレーションを行い、信頼性の確認を行った角田は、テスト最終日となった3日目にタイムアタックを敢行した。ベストタイムは1分31秒261。3日間の総合6位だった。
「結構いいタイムだったと思います。もちろん、ドライバーとしてはもっと行けると思っていますけど、ニュータイヤを履くたびに、自己ベストを更新できたことは一番の収穫です」と語った角田は、今シーズンこそ、毎戦ポイントを狙って戦える手応えをつかんでいたようだった。
「まだほかのチームが何をやっているのかわからないし、中団グループはかなり接戦したタイムになっているので、気が抜けないです。ただ、まあ予選はいまのところは戦えると思っています。ギリギリだとは思いますが、Q3を狙って戦える気がしています」
変わったのは、マシンだけではない。今年からマネージャーを雇った。
「特別な理由はなく、逆にいままでいなかったことのほうが不思議でした。2年間F1を戦ってきて、クルマを運転する以外にもいろいろとやることが増えてきたので、クルマを運転することにもう少し集中するためにマネージャーを雇うことにしました。それ以外にも、日本を離れて、一人暮らしをしているので、なんでも話せる人が身近にいてくれると助かるという感じです」
そのマネージャーのひとりが、ジャン・アレジのマネージャーで、かつて小林可夢偉のマネージャーも務めたことがあるマリオ宮川氏だ。アレジはもちろん可夢偉も表彰台が上がった経験があるドライバー。角田は2021年の最終戦アブダビGPで自己最高位の4位を獲得している。今年はそれを上回る活躍を期待したいところだが、角田に焦りはない。