RIZINで朝倉未来と平本蓮の因縁マッチは実現するのか?
総合格闘技イベントの「RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI」(4月29日・代々木体育館)の記者会見が3日、都内で行われ、ダブルメインで登場する因縁の朝倉未来(30、トライフォース赤坂)と平本蓮(24、剛毅會)の2人が“舌戦”に火花を散らした。朝倉は前RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎(28、K-Clann)、平本は元同級王者の斎藤裕(35、パラエストラ小岩)と、それぞれ戦うが、榊原信行CEOは、今回の勝敗にかからわず、今後因縁の2人の対決の可能性があることを示唆した。
頭を強打して声の出ないという平本の“通訳ショー”
因縁の朝倉と顔を合わせる会見を前に平本は布石を打っていた。
前日にツイッターで練習で頭部を強打したため「声が出なくなった」「明日は喋れるかどうかわからない」とつぶやいたのである。精密検査を受けるために病院を8か所も回ったそうで、ご丁寧に注射を打った形跡や検査入院した際の病院食の写真もアップしていた。
ファンを招いた会見に金髪にサングラス姿で登場した平本は「昨日の練習で頭部を強打してしまい、大きい声を出せないので通訳を呼んでいます」と説明。謎の外国人青年のプレシャスさんを迎え入れた。昨年ハワイで行われたプロボクシングの無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)と朝倉との会見でもやった“腹話術作戦”である。
平本が耳元で何かを小声でささやいた後にプレシャスさんが代弁した。
「今日は皆さんへ謝罪したいと思います。と平本さんは言っています」
以降、すべて「平本さんが言っています」の体を徹底した。
「試合を盛り上げるために散々悪口を言ってきました」
「ですが、言いすぎた部分もありました」
朝倉へのSNS攻撃を比喩しての発言。
そして「まさか、朝倉未来に訴えられるとは思ってもみませんでした」と、皮肉をこめて今年1月に朝倉がユーチューブで法廷闘争に持ち込むことを宣言した件を持ち出した。会場のファンからは拍手と笑いが起きた。
榊原CEOは「ブレイキングダウンみたいに、椅子を持ち出されても困るから」と、あえて2人の座る位置を離して、自分が両者の間に入っていたが、朝倉は、あきれたような薄ら笑いを浮かべて平本の“通訳ショー“の成り行きを傍観していた。
「なので、次の試合は心を入れ替えて頑張りたいと思います。試合を盛り上げましょう」。そう言って平本の“通訳ショー“は終わりかけたが、突然、「私からもいいですか?」とプレシャスさんが提案。通訳と平本が席を入れ替わり、頭を強打して声が出ないはずの平本が、今度は、通訳役を買って出て、プレシャスさんの言葉として本音をぶちかました。
「格闘家が、トラッシュトークで訴えるとか、クソビッチかよ。朝倉未来。とプレシャスさんが言っています」
挑発された朝倉も黙ってはいなかった。
「あのう。会場の皆さんが笑っていることに不思議というか、違和感というか、そんな面白かったですか?」
平本の独演会にモノ言いをつけたが、会場から「はい」と同意する声があがると、「みなさん、やさしいですね」と、苦笑いで返した。
裁判相手。お互いを意識するのか?
そういう質問に平本は、「新しい時代の格闘技スタイルなんすかね。僕はブレイキングダウンは、早くぶっつぶれてしまえばいいと思っています」と、また口撃を仕掛けた。
朝倉は務めて冷静さを保ちながらヒートアップ。
「意識は、まあ、しています。(斎藤に)勝つようなことがあればね。でも、絶対に勝つようなことはない。今のところ眼中にはない」
平本が斎藤に敗れると予告した。