• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • なぜ“ゴン”中山雅史のJ3沼津監督の初陣は黒星スタートとなったのか…「まだまだ未熟」
J3アスルクラロ沼津の監督に就任した元日本代表FW中山雅史の初陣は黒星スタートとなった
J3アスルクラロ沼津の監督に就任した元日本代表FW中山雅史の初陣は黒星スタートとなった

なぜ“ゴン”中山雅史のJ3沼津監督の初陣は黒星スタートとなったのか…「まだまだ未熟」

 システムを[4-1-2-3]から[3-2-2-3]へ可変させるうえで、誰を“偽者”にするのがベストなのか。指揮官が方向性を示し、選手とコーチングスタッフがトレーニングや話し合いを重ねてきたなかで、小学生年代のジュニアから高校生年代のユースまで東京ヴェルディでプレーし、テクニックに長けた安在が最も適しているという結論に達したのだろう。
 讃岐の守備陣に冷や汗をかかせ、スタンドを熱狂させた前半40分の手に汗握る攻防は、中盤中央にポジションを取った安在のスルーパスから生まれていた。
 あうんの呼吸で反応して最終ラインの裏に抜け出した大卒ルーキー、FW和田育(22、筑波大卒)のシュートを相手キーパーがセーブ。こぼれ球を拾ったMF持井響太(24)が2度、さらにMF徳永晃太郎(26)、最後は再び和田とペナルティーエリア内で立て続けに、しかもすべてゴールの枠内へ強烈なシュートを放ちながらことごとく相手選手にブロックされてしまった。
「たられば、が多いほど勝利を失う状況になりますよね。あそこで入っていたら、決まっていたらという場面がある以上は、それを消していく。本人が一番わかっているはずですし、これからの試合でしっかりとした行動を伴ってくれたら、と思っています」
 大学の後輩でもある和田を含めて、チャンスを決め切れなかった選手たちへ奮起を促した中山監督は初陣を通して、ほとんどベンチの一番右側に座っていた。立ち上がったとしてもベンチ内。ピッチ脇のテクニカルエリアに初めて姿を現したのは後半40分だった。
 現役時代には「炎のストライカー」の愛称がつけられるほど、熱血キャラクターの持ち主だった中山氏が指揮官としては対照的な姿を見せる。公式会見では立ち居振る舞いのギャップが意味するものも問われた。中山監督は「これからは(テクニカルエリアに)出ていくかもしれませんよ」と苦笑いを浮かべながら、あえて“動”ではなく“静”に徹していると明かした。
「どちらかと言うと、選手たちに考えてプレーしてほしい、という考えがあります。もちろんそれだけではいけない、というのもわかっていますけど、それでも(考えることを)促していこうと。まあ、僕が出ていく前にコーチ陣が(テクニカルエリアへ)出ていってくれるし、それで事が足りているところもあるので。そこはバランスですね」

 

関連記事一覧