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侍ジャパンの初戦先発に指名されたエンゼルスの大谷翔平は東京ドームで前日調整。「3番・投手」での二刀流での出場になりそうだ(写真・AP/アフロ)
侍ジャパンの初戦先発に指名されたエンゼルスの大谷翔平は東京ドームで前日調整。「3番・投手」での二刀流での出場になりそうだ(写真・AP/アフロ)

“ぶっつけ本番”でWBC中国戦に先発する大谷翔平はどんな“衝撃ドラマ”を演じるのか…「いつも通りの入り(初回)ができれば十分に試合を作れる」の自信と不安材料

 いよいよ今日9日にWBCでの優勝を狙う侍ジャパンが東京ドームで1次ラウンド初戦の中国戦を迎える。栗山英樹監督(61)が先発に指名したのはエンゼルスの大谷翔平(28)。メジャーでのオープン戦登板は、アスレチックスの藤浪晋太郎(28)と投げ合った1試合だけ。投手としては、ほぼぶっつけ本番となる「3番・投手」の“二刀流”で中国戦に向かうことになりそうな大谷は、果たして、どんな投打の活躍で侍ジャパンを牽引するのだろうか。

 「どこまで(出力が)出るのか、そのときになってみないとわからない

 

 いとも簡単に、懸念を払拭してしまった。
 メジャー選手の出場が解禁された6日の阪神との強化試合。打者としてはアリゾナ州で行われた2月27日のオープン戦以来、およそ1週間ぶりの実戦となった大谷だったが、まるでブランクを感じさせず、圧巻の2発。そもそも、たった5打席でキャンプ地を離れ日本へ。間に合うのか? その問いには本人も明確な答えを持たなかったが、杞憂に終わりそう。

 もっとも投げる方はどうか? 
「重要な第1戦は大谷翔平から行きたいと思います」
 8日夕方、栗山監督が、大谷を中国戦で先発させると発表したが、オープン戦では、2月28日のアスレチックス戦の1試合に投げただけ。ほぼ、ぶっつけで本番に臨むことになる。
 本人も8日の会見では、「正直、どこまで(出力が)出るのかというのは、そのときになってみないとわからない」と、やや不安も口にしたが、初戦を迎えるにあたり、ここにいたる投打での調整過程を改めてたどってみたい。

 2月28日、アリゾナ州メサーー。うなぎの寝床のような細長いホホカム・スタジアムのクラブハウスの一番奥に、投げ終わったばかりの大谷がいた。普段なら、肩肘のケアなどがあるので、降板直後のタイミングで取材に応じることはないが、近くにチャーター機を待たせていた。
 足元にはいつも持ち歩いているキャリーバッグの蓋が開いたままの状態で無造作に置かれ、中には、使い込んだドライブライン・ベースボールのプライオボールや、壁当てのときにつかうミニトランポリンなどが、これまた無造作に詰め込まれていた。
「あと、30分で行けるかな?」
 取材対応後、そう言いながら荷造りを急いだ大谷はまもなく、機上の人になった。

 その日、同地区のアスレチックスに入団した藤浪との投げ合いが、早々に実現した。登板前、先にセンターでのウォーミングアップを追えた大谷が、右翼でキャッチボールをしていた藤浪に近づいて挨拶をしてから右翼フェンス裏のブルペンへ。まもなく藤浪もブルペンへ向かうと、二人が並んで投げ合う光景が見られた。
 置かれた状況はまるで異なる。藤浪は開幕に向けた最初のオープン戦登板。今後、課題を整理し、じっくり仕上げていく。一方の大谷も、初登板ではあったが、WBC前最後の調整登板。結局、アリゾナのキャンプを2回1/2、34球で、打ち上げた。
 日本に帰国後に大谷は6日、京セラドームでブルペンに入ったが、どこまで仕上がったのか。

 

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