侍ジャパンの初戦先発に指名されたエンゼルスの大谷翔平は東京ドームで前日調整。「3番・投手」での二刀流での出場になりそうだ(写真・AP/アフロ)
“ぶっつけ本番”でWBC中国戦に先発する大谷翔平はどんな“衝撃ドラマ”を演じるのか…「いつも通りの入り(初回)ができれば十分に試合を作れる」の自信と不安材料
かつてイチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)も、キャンプでの打席数について、「十分も不十分もない。数関係なく。それがスプリングトレーニング」と話したことがあるが、同じことを言っているのだろう。
大谷の場合、打撃の根幹をなすのはボールの見え方であり、それを導く構えが決まるかどうか。
「構えがしっかりした方向で力が伝わっていないと、(バットが)いい軌道に入っていかないですし、同じように打っていても、最初の構えの時点で間違った方に進んでいると、いい動きをしてもいい結果につながらない」
彼にとっては、そこが原点なのだ。
「8割5分ぐらい構えで決まっているぐらいの感じ。ピッチングもそうですけど、やっぱり、どういうイメージで打席に立っているかが一番大事」
ようは、構えが決まり、見え方が良くなっているかどうか。その感覚は本人にしかわからないが、いきなりの2発は、図らずもそれを証明したのかもしれない。
さて、28日に米国を出発してから、東京、名古屋、大阪と毎日のように移動を繰り返した大谷だが、ようやく8日から移動がなくなり、少しは慌ただしさから解放されそう。
まずは初戦――。
「いつも通りの入り(初回の立ち上がり)ができれば、十分試合を作れるんじゃないかな」と大谷は話し、こう続けた。
「投げるのが始め(1回表)なので、その後で攻撃もしっかりと参加したい」
(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)