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侍ジャパンの4番に座るヤクルト村上宗隆に本塁打どころかヒットも出ない。“WBCスランプ”を抜け出すためにはどうすれば?(写真:CTK Photo/アフロ)
侍ジャパンの4番に座るヤクルト村上宗隆に本塁打どころかヒットも出ない。“WBCスランプ”を抜け出すためにはどうすれば?(写真:CTK Photo/アフロ)

“WBCスランプ“に陥った侍4番のヤクルト村上宗隆を生き返らせるにはどうすればいいのか…4番で我慢?6番降格?スタメン外し?

 WBCの1次ラウンド第2戦の日本対韓国戦が10日、東京ドームで行われ、カージナルスのラーズ・ヌートバー(25)の攻守に渡る活躍などで13―4の大差をつけ逆転で圧勝した。チームは13安打したが、ただ一人蚊帳の外だったのが4番のヤクルト村上宗隆(23)だ。3度巡ってきた満塁のチャンスに犠飛で1打点はマークしたが、2度凡退。2試合で10度打席に立ち、まだヒットが出ていない。守備でもミスがあり完全な“WBCスランプ”。SNSでは「生き返れ村上」のワードが異例のトレンド入り。世界一を奪回するためにはなくてはならない村上を復活させるためにはどうすればいいのか。

 目の前で3番の大谷が申告敬遠

 

 ヌートバーがお立ち台で「ニッポンダイスキ!ミンナ、アリガトウ!」と日本語で絶叫する、逆転での圧勝劇の裏で、意外なワードがSNSでトレンド入りしていた。「生き返れ村上」――。この2試合で10打席立ち、未だにホームランどころかヒットもない4番の村上への応援エールだ。
 2試合連続で「4番・三塁」で先発出場した村上のバットは、この日も沈黙が続いた。先頭打者で迎えた2回は外角低めのストレートに見逃しの三振。3点を追う3回には、ヌートバー、ソフトバンクの近藤健介の連続タイムリーで1点差に迫り、なお無死二、三塁の逆転機に、目の前で3番のエンゼルス大谷翔平が申告敬遠された。韓国は不振の村上との対戦を選んだのだ。
 メジャーMVPで、今大会も絶好調の大谷との勝負を避けるのは、当然の戦略だが、4番の村上にとっては屈辱だったのかもしれない。静かな炎を燃やして打席に入ったが、カウント2-0から34歳のベテラン左腕キム・グアンヒョンが投じた147キロのど真ん中の“ホームランボール”を内野へ高々と打ち上げてしまった。ショートへのインフィールドフライ。4万人を超えるファンで埋まったドームがため息に包まれた。
 5回は無死二塁でセカンドゴロ。進塁打にはなったがタイミングは合っていない。それでも4番の力を試すかのように、ことごとくチャンスで打席が回ってくる。6回は無死満塁。レフトへ犠牲フライを放ったが、昨年のシーズン中の村上なら柵越えしていたであろう甘いボール。そして7回には一発が出ればコールド勝ちを決めることができる一死満塁の“生き返るチャンス”が巡ってきた。韓国最年少の次世代エース左腕イ・ウイルがフルカウントから外角高めに投じた152キロのストレートをボールと判断して見送ったが、ストライクのコール。思わず不満そうに審判に目線をやった後に下を向いてベンチへ下がった。
 打撃不振だけならまだしも、3回には手痛い守備のエラーも。先発のパドレスのダルビッシュ有がヤン・ウィジに先制2ランを許し、なお二死になってからキム・ハソンの三塁ゴロを前進してさばいたが、一塁へ悪送球。高めに浮いた送球は、巨人の岡本和真が捕球しなければならないものだったが、ファーストミットを弾き、結果、もう1点を献上することにつながってしまった。
「生き返れ村上」のワードは、2006年の第1回大会で、実況アナが福留孝介に対して叫んだ言葉が元ネタと思われる。打率1割台の不振に陥ってスタメンを外され、準決勝の韓国戦の0-0で迎えた7回一死二塁に6番の今江敏晃への代打で登場した福留に実況アナが「生き返れ福留!」と絶叫、その直後に試合を決める2ランが飛び出したシーンだ。
 また「イチロー」のワードもトレンド入りした。地上波中継の間に入るゲームソフトのCMに2009年大会で、極度の不振に陥ったイチローが、決勝戦の韓国戦で劇的な決勝タイムリーを放つまでの苦悩を回顧するシーンが流れていたため「蘇ったイチロー」に村上を重ねたものと考えられる。
 では、村上が福留やイチローのように生き返るにはどうすればいいか。
 まず不振の理由は何なのだろう。

 

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