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ドミニカ共和国はWBC1次ラウンドの開幕戦のベネズエラ戦にサイヤング賞のアルカンタラを先発させたが、リードを守れずまさかの3失点(写真:AP/アフロ)
ドミニカ共和国はWBC1次ラウンドの開幕戦のベネズエラ戦にサイヤング賞のアルカンタラを先発させたが、リードを守れずまさかの3失点(写真:AP/アフロ)

なぜWBC優勝候補筆頭のドミニカがベネズエラに1-5で敗れる大波乱が起きたのか…サイヤング賞アルカンタラがまさかの3失点

WBCプールDの1次ラウンドが11日(日本時間12日)、米国マイアミで開幕し優勝候補のドミニカ共和国(以下ドミニカ)がベネズエラに1-5で敗れる大波乱があった。ドリームチームを集結させたドミニカは、先取点を奪うも、先発した昨年のサイヤング賞投手、サンディ・アルカンタラ(27、マーリンズ)が逆転を許して、まさかの3失点。対するベネズエラは、先発のマーティン・ぺレス(31、レンジャーズ)に続き、先発候補の“世界一”アストロズのルイス・ガルシア(26)を投入する必勝リレーで反撃をシャットアウト、その後も追加点も奪い、ドミニカを破った。

 ベネズエラのペラルタが3打点の活躍

 

 ドミニカファンが8割を占めた満員のローンデポ・パークに悲鳴と歓声が交錯した。グラウンドではベネズエラのスター軍団がお祭り騒ぎ。まさかのアップセットが「死の組」と言われるプールDの初日に起きた。米メディアの各社の戦前予想で優勝候補の筆頭に挙げられていたドミニカが1-5でベネズエラに敗れたのだ。
 ドミニカは1回表にイチローが絶賛する昨季の新人王のフリオ・ロドリゲス(マリナーズ)と、ファン・ソト(パドレス)の1、2番コンビの連続安打で1点を先取したが、昨季、14勝、防御率2.28でサイヤング賞に輝いた右腕エースのアルカンタラが2回裏に7番打者のアンソニー・サンタンデール(オリオールズ)に特大の同点アーチを浴びる。
 さらに4回に先頭の2021年の本塁打&打点の2冠王のサルバトーレ・ペレス(ロイヤルズ)に二塁打を浴びるなどして無死満塁のピンチを背負った。一発を浴びていたサンタンデールをセカンドフライに打ち取り、サルバトーレ・ペレス(ロイヤルズ)をスイングアウト。二死までこぎつけたが、9番打者のデビッド・ペラルタ(ドジャース)に、甘く入ったスライダーをライト前へ運ばれた。2人が生還。ベネズエラのベンチは空っぽになった。球数制限もあり降板したアルカンタラはタオルで顔を覆った。
 MLB公式サイトによると、ドミニカの指揮をとるロドニー・リナレス監督は「アルカンタラはシャットアウトするにはボールひとつ分甘かった。サンタンデールにはシンカー、ペラルタにはスライダーが真ん中に入った」と、2球の失投を悔やんだ。アルカンタラは、ほとんどのフォーシームが159キロをマーク、得意の高速チェンジアップも150キロ台だったが、3四球を与えるなど、ベストのコンディションではなかった。
 侍ジャパンのパドレスのダルビッシュ有(36)も、ほぼぶっつけ本番で10日の韓国戦で先発して3失点したが、やはり、この時期のメジャーリーガーは、まだ調整不足なのだろう。
 マイアミヘラルド紙によると、アルカンタラは。「私は自分の国のためにピッチングしているが、同時に賢くなければなりません。シーズンでは32、33試合に先発出場したいので、国のために100%の力を出し切っているし、それが、シーズンの準備に役立つからね」と説明したという。
 100%全力で投球したが、あくまでもシーズンへの準備段階なのだ。
 それが波乱の起きた原因なのかもしれない。 
 一方のベネズエラは、さらに6回にも二死一塁からまたペラルタがライト線を破るタイムリー二塁打で追加点をあげた。ペラルタは、昨年オフにドジャースと650万ドル(約8億7000万円)で1年契約を結んだ外野手。当初は、サンタンデールとペラルタの2人が外野で同時にスタメン起用される予定はなかったが、ベネズエラのオマール・ロペス監督が、10日の打撃練習を見て、急遽、この2人を下位打線に並べることを決断したという。

 

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