侍ジャパンはWBC準々決勝で“知能派”ピアザ監督率いるイタリアに勝ち米国へ行けるのか…メジャーリーガーを含む左巧打者6人並べる不気味な打線
日本戦の先発が予想されるのはパナマ戦で先発したミチェレ・バサロティ(22)だ。本来のエースは、メッツ時代の2013年にサイヤング賞を争ったベテランのマシュー・ハービー(33)なのだが、勝負がかかったオランダ戦に先発して4回で60球を投げたので「50球以上投げた投手は中4日以上を空けねばならない」の大会規定により16日の日本戦には投げることができない。日本戦には台湾戦で投げたライアン・カステラーニ(26)も先発可能だが、打ち込まれて2回で降板。一方のバサロティは、メジャーリーガーが揃うパナマを相手に、4回をソロアーチ1本に抑える好投を見せた。
バサロティは、長いリーチを生かして腕を下げ気味にスリークオータで投げてくるやや変則の右腕。パナマ戦では最速154キロを示したが、スライダー、カット、ツーシームなどのボールを丁寧に低めに動かしてくるのが特徴。イタリア系ベネズエラ人で身体能力が高く、昨年はフィリーズの1Aで33試合に投げて9勝2敗7S、防御率2.64の成績を残している。
そして、ピアザ監督は、2番手以降は、一人1イニングずつの小刻み継投をしてくる。キューバ戦とオランダ戦のブルペンのユニットが、ほぼ同じだったので、この布陣が、勝利方程式なのだろう。
そこには、昨年カージナルスでメジャーデビューし47試合に登板し、防御率3.17のアンドレ・パランテ(24)、同じくマリナーズで57試合に登板、防御率4.17のマット・フェスタ(30)のメジャーリーガー2人が陣取る。ただ、ピアザ監督は、クローザーには、マイナーリーガーのミッチェル・スタンポ(26)を起用している。
橋上氏は日本が準々決勝を勝ち抜くポイントをこう指摘する。
「大谷、ダルビッシュの1次ラウンドの投球は、ほぼぶっつけ本番ということもあって、制球力やボールの制御という点でいうと、まだ7割程度だった。おそらく2度目の登板ではさらに安定感が増すと思う。エンゼルスから制限をかけられている大谷の投球数も50球から65球に引き上げられると聞くので、4イニングはいけるし、そこからダルビッシュへつなぎ、公式球へ適応ができはじめている宇田川、伊藤らで締めることができれば、そう失点はしないだろう」
その上でこう続ける。
「どれだけ点を取るかがポイント。幸いにして1番から3番は、期待以上の得点力を見せている。ヌートバーが出塁すれば、近藤がつなぎ、ヌートバーが出ないときは近藤が出るので、大谷の前に常に走者がたまる理想的な展開を作れている。そこでなんとか先制点を奪いたい。0-0や先に点を取られる重々しい展開になるとミスも出るし一発勝負の怖さがある。問題は大谷の後ろを打つ村上だろう。ピアザ監督は捕手出身なので、歩かせていいシチュエーションでは大谷との勝負は避ける。村上は、チェコ、豪州戦と続けてヒットが出ているが、まだボールの見逃し方やタイミングを見ると打席内容は決して上向きだとは言えない。栗山監督は、ここまできたら“4番村上”を動かさないだろうから復調に期待したい」
負ければ終わりの一発勝負。米国行きのかかる準々決勝は16日、東京ドームで午後7時プレーボールだ。(文責・RONSPO編集部)