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侍ジャパンの栗山監督の指導力に世界が注目(写真:CTK Photo/アフロ)
侍ジャパンの栗山監督の指導力に世界が注目(写真:CTK Photo/アフロ)

侍ジャパン栗山監督が「世界で最も興味深い監督」…WBC準決勝を前にMLB公式サイトが特集記事

 

いよいよ今日日本時間21日の午前8時にWBC準決勝の日本対メキシコが米国マイアミのローンデポ・パークで行われる。優勝候補として急浮上している侍ジャパンで、クローズアップされているのが指揮を執る栗山英樹監督(61)だ。MLB公式サイトは、栗山監督とエンゼルスの大谷翔平(28)の師弟関係も含めた特集記事を掲載。「大谷の指導者は世界で最も興味深い監督」と称賛した。

「記者会見は学校の教室みたい」

 世界が注目しているのは二刀流スターの大谷やメキシコ戦に先発する千葉ロッテの佐々木朗希だけではない。MLB公式サイトは、準決勝の直前に「大谷の指導者は世界で最も興味深い監督かもしれない」」との見出しを取った栗山監督の特集記事を掲載した。

 大谷やパドレスのダルビッシュ有らメジャーリーガーも参加した超スター軍団をまとめ、日ハム時代から大谷とは師弟関係にあり、1次ラウンド、準々決勝を全勝で米国マイアミに乗り込んできた指揮官の指導力を高く評価した上で、その経歴や本質を追求取材したものだ。   

 同記事は、栗山監督が決して野球エリートでなかったルーツの部分から掘り下げて、「野球が苦手だった。大学で野球を続けたが、ドラフトはされなかった」というコメントを引用して「珍しい監督だ」とし、さらに東京学芸大で、教職免許を取得後、ヤクルトにドラフト外で入団して7年間プレー、ゴールデングラブ賞を獲得したことも紹介した。 「栗山監督の記者会見が時折、打ち解けた学校の教室のように感じるのは当然かもしれない。彼は思慮に富み、寛容で、気が向けばすぐ、顔には楽しそうな笑みが満面に広がる。国で最も重要なチームのリーダーとして役割の大切さを理解しながら、むしろ、これが野球だということを楽しんでいるように見える」という見方を記した。

 また栗山監督が引退後にスポーツメディアとしての活動を始め、そこで大谷と初めて会い、その後、日本ハムファイターズの監督として指導してきたことに触れ、「早熟な若者が、有望株として注目を浴び、そしてMLBのMVPとなるまでの大谷の成長を目にしてきた人がいるのであれば大谷の両親が1番で、栗山が2番目だろう」と続けた。    

 監督として采配についても「栗山監督は、このスポーツの通説に従うことをしない人物として知られている」と評価。守備シフトやデータ分析を代表チームに取り入れて、今回、カージナルスのラーズ・ヌートバーの代表入りにも尽力したことを伝えた。  また「大谷が今日のように二刀流スーパースターとなったことについては、この監督の影響が大きい。違う監督であれば、大谷に(二刀流の)機会を与えなかったかもしれなかった」と断言。大谷の「ファイターズでプレーしたとき、私は栗山さんから多くのことを学んだ。彼は私に良いプレーの仕方を教えてくれた人」という談話を付け加えている。

 栗山監督は、同サイトの取材に対して、大谷が、帰国時には必ず2人で「長く話をする機会」を持っていることを明かし「彼がスターになり人間としても成長していることを知っています。選手、そして人間として、彼に最大限の敬意を払っている」とコメントしている。  さらに栗山監督が、2011年3月11日の東日本大震災時にはスポーツリポーターで、被災地の取材経験があり、それが指導者になる際に生きており、今なお、被災地の悲しみを取り除く役割を野球界が担っているという責任感を持って監督を務めていることを紹介。最後に、栗山監督の言葉を織り込みながら、こんな言葉で記事をまとめた。

「栗山監督はWBCの優勝に集中している一方で、国のために他に2つの目標が頭の中にある。日本で(競技人口が減り)低迷している野球人気の向上や若手選手を世界的なスターに成長させるという2つの希望を持っている」

 日本の野球ファンからすれば、目新しい話はない記事内容だったが、海外のメディアやファンが、栗山監督の指導力に熱視線を寄せていることを象徴するような特集記事だった。もしかするとWBC大会後にメジャー球団や他国からの監督オファーが栗山監督に舞い込むのかもしれない。

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