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1点を追う9回に先頭で二塁打を放った大谷翔平はベース上で雄叫びを挙げてナインを鼓舞した(写真・AP/アフロ)
1点を追う9回に先頭で二塁打を放った大谷翔平はベース上で雄叫びを挙げてナインを鼓舞した(写真・AP/アフロ)

米メディアは日本の劇的逆転サヨナラ勝利をどう伝えたか…「大谷翔平の雄叫びやヘルメット飛ばしを初めて見た」「日本対米国の夢の決勝が用意された」

 そう称賛した上で「4回を投げ、5安打で3点を許したが四球はなかった。彼は16人の打者と対戦して3三振を奪った。102マイル(約164キロ)に達した速球を含め、エリートクラスの球を披露した。投球の平均球速は95マイル(約153キロ)で、対戦打者の33スイングのうち12個の空振りを奪った」と投球内容を紹介。佐々木が昨年4月に19奪三振の完全試合を達成したことを記し、山本由伸(オリックス)から湯浅京己(阪神)、大勢(巨人)とつないだリレーが逆転サヨナラ劇の舞台を作ったとの見解を述べた。
 2つ目にはメキシコ先発のパトリック・サンドバル(エンゼルス)の好投について触れ、3つ目として日本対米国の決勝の顔合わせが注目を集めていることについて説明した。
 ワシントンポスト紙は「日本が終盤に反撃し、メキシコに衝撃を与え、米国と対戦するWBC決勝に進出」との見出しを取り、大谷に焦点を当てて日本の勝利を伝えた。
「大谷がメジャーで一度も味わったことのない瞬間、一度も経験したことのない雰囲気、体験したくともできなかった機会だった。ここまで、彼は、この夜にしたようにヘルメットを投げ飛ばして二塁に走ることも、空に向けて両手を突き上げることも、声を限りに叫んだこともなかった。23歳で米国にやって来てから大谷は、負ければ敗退という試合で9回に得点を追う状況に直面したことや、すべての投球に注目が集まる満員の北米の球場、そしてそうした場面で、反撃の口火を切るヒットを放ち勝利の鍵となるプレーをしたこともなかった。彼自身の過失では決してないが、大谷は、勝負強さを見せる機会、これだけの華やかさの中で光に当たることもなかったのだ」と書き出した。
 8年連続でポストシーズンに進出することができていないエンゼルスで大谷が、その才能を発揮できる場所がなかったことを紹介した上で9回の劇的シーンをリポートした。
「その場面が訪れると、地球上で最高の選手は、勝負強さも見せることができ、その彼の才能は、スリルあふれる勝利で証明された。不利が予想されていたメキシコは、WBCの運命に向かって進んでいるように見られ、決勝進出を決めるためにカージナルスの救援投手のガイエゴスを起用した。だが、初めて対戦する投手の初球を大谷はスイングし、外野の間を抜く二塁打を放った。彼は二塁へと駆け、永遠に続くかのように見える叫び声をあげた。大谷は、普段叫ばない。大谷は(メジャーリーグで)普段このような舞台でプレーはしていない」と続け、7回に同点3ランを放った吉田についても、こう言及した。
「レッドソックスの新しい外野手で、今大会の打撃成績で大谷を上回る吉田は、ヒーローになりそうだった。彼の7回の3ランが侍ジャパンを蘇らせた。この本塁打で、彼の打点が大会記録となる13となった」
 さらに「日本には9回に大谷と代走の周東佑京を生還させたヒットを放ったNPBのスーパースターの村上がいた。今大会で大谷と同じだけのインパクトをもたらせる可能性を持ちながら、まだできていなかった選手にとって安堵の瞬間だった」と、村上の逆転サヨナラ二塁打について触れ、こう続けた。
「サヨナラのホームインをした周東は三塁を回る大谷にもうすぐで追いつくところだった。大谷の足は決して遅くない。数分後、大谷はまだ息を切らし、試合後のインタビューを受け、彼のチーム、同じように相手チームの選手たちと、試合後の抱擁を交わし合った。メジャーリーグのフィールドで勝利のためにすべてを捧げた男のようだった。そして、ついに、その(勝利の)時が彼の元にやってきた」

 

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