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1点を9回無死一、二塁から試合を決めたのは不振のヤクルト村上宗隆だった(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
1点を9回無死一、二塁から試合を決めたのは不振のヤクルト村上宗隆だった(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

なぜWBCで劇的ドラマが生まれたのか…ブレない栗山采配と大谷の「初球打ち」そしてマイアミ人工芝を生かす吉田のバックホーム

「吉田は、前を守っていたわけではなかった。打球の球足が速く、そして、ストライクを投げたわけではなかったが、ワンバウンドの送球が凄いスピ―ドで甲斐のミットに届いた。おそらく、それがこの球場の人工芝の特徴なのだろう。打球やワンバウンド送球の球足が速いのだ。報道でしか知らないが、吉田は日本からの移動日にも球場に来ていたようだ。チームとして人工芝の特徴をつかみ、吉田は、それを確かめた上で計算ずくで3点目を食い止めたのだろう。3-5が3-6であればまた展開は変わっていたと思う」
 栗山監督は3人目の捕手となる大城卓三(巨人)まで使い、野手で残っていたのは牧原大成(ソフトバンク)一人だけ。まさに総力戦で2大会続けて立ちふさがっていたベスト4の壁を打ち破った。
 決勝の米国戦に日本は先発に今永を立てる。ダルビッシュ有(パドレス)と大谷もリリーフスタンバイ。きっと大谷が打順の合間にレフトのブルペンに走るとスタジアムがどっと沸くだろう。
 米国の先発は34歳のベテラン右腕メリル・ケリー(ダイヤモンドバックス)。昨季はリーグ最多の33試合に先発し、13勝8敗、防御率3・37と安定した成績を残しているが、1次ラウンドのコロンビア戦では2失点している。技巧派で侍打線なら点は取れる。ただ米国の8回には魔球を操るブリュワーズのクローザー、9回には世界一アストロズを支えたクローザーが控えており、メキシコ戦のように終盤でリードされる展開だけは避けたい。
 橋上氏は、こう決勝を展望する。
「打線はメキシコよりさらにランクが上がるので打ち合いになると分が悪い。先取点を取り、ロースコアの展開に持ち込むこと。ただ、ここの人工芝は球足が速いので、一、二塁間や、三遊間を抜くゴロヒットを積み重ねてチャンスを作りたい」
 大谷は、興奮気味にこう話をした。
「最高の舞台で最高の相手だと思うんで、楽しむ気持ちを持ってまず明日を迎えたいですし、当然緊張すると思うんですが、必ず勝つんだという強い気持ちを持って全員で頑張りたい」
 あきらめない全員野球。それが決勝で米国を破る最大の武器なのかもしれない。
(文責・RONSPO編集部)

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