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4.8有明でWBA世界バンタム級王座決定戦に挑む井上拓真(右)と特別コーチとして指導したロンドン五輪代表の須佐勝明氏(左)
4.8有明でWBA世界バンタム級王座決定戦に挑む井上拓真(右)と特別コーチとして指導したロンドン五輪代表の須佐勝明氏(左)

「最終回をしっかり決めてすげえ」WBCではなくWBA王座を狙う井上拓真も大谷翔平の「泥だらけのストッパー」に刺激を受ける

 

 拓真は「ソリスが河野(公平)さん、山中さんとやった若くて勢いのあるときの動きをイメージしている。年齢は関係ない。ベテランだし油断しないこと。リーチの長さとパワーもありそう。もらわないで集中すること」という作戦を練る。
 最悪のケースは、ごちゃごちゃしたボクシングに巻き込まれてしまうこと。それでも拓真には「こうやられたら嫌だなということを意識してやっていた。もし違ったら、心に余裕ができていい展開になる。どのパターンになっても確実に対応でき、自分のペースに持ち込む自信がある」との対応策がある。
「完封してやろうと。チャンスがあれば倒す」
 拓真は完封勝利を宣言。
 須佐氏は「序盤から中盤でKOを狙える。メキシコ人のパートナーが“拓真の出入りが速い”と言っていたが、ソリスはきっとやり辛いと思う。がちゃがちゃで主導権をとるタイプなので隙が多い」とKO決着を予告した。

 WBCはWBCでも野球の方の侍ジャパンの戦いにも感銘を受けた。ちょうど米国との決勝戦は練習時間と重なっていなかったために自宅でテレビ観戦。「3番DH」で出場していた大谷が9回にユニホームが泥だらけのままストッパーとして登場し、同僚のマイク・トラウトを三振に取って胴上げ投手になったシーンに「最終回に大谷選手がしっかりと決めてすげえなあ、そこで決められるのはもってんだなと。刺激を受けますね。(日本)が優勝してすげえと思うし、自分も頑張ろうって感じますね」と、世界一という共通の目標を持つ日本人アスリートとしてのまた違ったモチベーションが沸き上がってきたという。
 運命のゴングまで残り12日。
 2年ぶりとなるバンタムへの減量も「順調」だという。
 Tシャツには「episode1」とも書かれていた。
 兄の偉業を継承する物語の1ページがめくられようとしている。

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