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本塁打を放った際の大谷翔平のこのポーズの意味とは?(写真:CTK Photo/アフロ)
本塁打を放った際の大谷翔平のこのポーズの意味とは?(写真:CTK Photo/アフロ)

侍Jの白井ヘッドが明かす知られざるWBC秘話…「野手コーチ全員が大谷翔平のストッパー起用を知らなかった」

「監督は迷ったときに相談してくるんですけど、実は相談される段階ですでに監督のなかでほぼ決まっているんですね。なので、僕が返すのは基本的に『それでいいんじゃないですか』と決断を後押しする言葉だけですね。特にイタリア戦前では何が答えなのかがわからないような状況だったので、僕からは『監督が思った通りにやることが一番いいと思います』と」
 村上に関するエピソードはまだある。
 舞台を米マイアミに移したメキシコとの準決勝。1点を追う9回無死一、二塁から村上の左中間を破る劇的な逆転サヨナラ二塁打で、決勝進出を決めたが、実は、ベンチでは代打の用意があったという。バント要員として牧原大成(30)がスタンバイしていたのだ。
 三塁コーチャーを務めていた白井氏は、最終的には村上を左打席へ送り出したベンチの判断に関する詳細はわからないと断りを入れたうえで、この場面をこう振り返る。
「代打でバントにいくかどうかは当然、準備をさせていたと思います。でも、監督に感じるものがあり、やはり村上でいこう、という決断になったのでしょう」
 不振の村上自身も、そのことが頭をちらついたと、試合後会見で明かしていた。城石憲之・内野守備・走塁兼作戦コーチ(49)が近寄ってきた際に、「バントか、代打か」と、不快な表情を浮かべたそうだが、栗山監督からの伝言は、「思い切っていけ」だった。
 栗山監督は、最後まで村上を信じたが、あらゆるケースを考えて準備だけは怠っていなかったのである。

【知らなかった大谷のストッパー起用】
 米国との決勝。1点をリードして迎えた9回に、3番・DHで先発していた大谷がクローザーとしてマウンドに上がった。8回のダルビッシュ有(36)に続く異例の豪華リレー。打撃コーチを務めた吉村禎章氏(59)は、凱旋帰国会見の席で、大谷の救援登板に「最後に(大谷が)投げるのをまったく知らなかったものですから」と打ち明けている。
 大谷が最後を締めた展開に関しては、栗山監督のたっての願いでヘッドコーチに就任した白井氏も「僕自身も知らなかったんですよ」と吉村氏に同調した。
「アメリカ戦当日の朝にダルビッシュが球団から許可を取って、前日には大谷が『行ける』という話をしたなかで、試合前に監督が決めたと思います。2人が投げられるパターン、投げられないパターンを用意する関係でピッチングコーチは知っていたと思いますけど、われわれ野手コーチ陣はそれに関してはまったく聞くこともなかったですし、もちろんこちらから何かを言うこともありませんでした。なので、野手コーチ陣は全員知らなかったと思います」

 

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