「16勝9敗の相性継続はゼロではないが新たな戦い」会見で火花を散らした横浜DeNA三浦監督と阪神岡田監督を結ぶ不思議な縁
今日31日にセ・リーグも開幕。京セラドーム大阪で対戦する横浜DeNAの三浦大輔監督と阪神の岡田彰布監督は、その前日会見で静かな火花を散らした。横浜DeNAは、昨季対阪神に3勝0敗の“虎キラー”左腕の石田健大、阪神も投手2冠で“ベイキラー”の青柳晃洋が先発する。
現役時代に1度だけ対戦
テレビカメラの前に並んだ三浦監督と岡田監督は目も合わさない。
岡田監督が最初に仕掛けた。
「この何年かを見ていてバランスの取れたいいチーム。僕が今年解説者していたら、優勝はDeNAにしてましたね。これ本当の話。一番気になるチームとしてDeNAをあげていた。そういうことですね」
メディアからは笑いが起きたが、岡田監督も三浦監督も笑わない。
「はい。昨年最後にクライマックス・シリーズで敗れているチームですし、監督さんが代わられたことも含めて対策を練っていかないといけない」
三浦監督はこう切り返した。
三浦監督と岡田監督には不思議な縁がある。
少年の頃の三浦監督にとって若き日の岡田監督は憧れの選手だった。大阪玉造にある実家の生花店が、岡田監督の実家の近くにあった関係で、三浦監督の父は、岡田監督の後援会「岡田会」に入っていた。
三浦監督には、「小学校低学年の頃に岡田さんが早稲田大から阪神にドラフト1位で指名された直後にサインをもらったことがある」との記憶があり、オフの「岡田会」のイベントにも参加、ソフトボール大会で一緒に三遊間を形成したこともあった。
三浦監督は、1991年に高田商高から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNA)にドラフト6位で指名された。岡田監督は、まだ現役で1994年に阪神からオリックスに移籍、1995年2月のオープン戦で、三浦vs岡田の1打席対決が実現した。
三浦監督は今でも記憶が鮮明だという。
「当時、オリックスが宮古島(沖縄)でキャンプをしていて2月に日本で一番早いオープン戦というのを行っていたんですよね。自分はまだ入団して4年目でしたが、岡田さんが代打で出てきてくれてビックリしました。普通は、こんな早い時期にベテランの方は試合出場しませんからね。確かショートゴロだったと思います」
当時、岡田監督と三浦監督の関係性を知っていた仰木彬監督が仕掛けた粋な演出だった。
「その後は、岡田さんが阪神の監督で、自分が選手の立場での対戦ですよね。それが2023年にまさか監督同士で対戦するとは…不思議な縁を感じます。試合になれば、そんなことは関係なく戦うだけです」
“アレ”を狙う岡田監督は、キャンプ中から、今季の最警戒チームとして、3連覇を狙うヤクルトでも、宿命のライバルの巨人でもなく、横浜DeNAの名前をあげていた。昨季もヤクルトとのゲーム差が17.5あった段階で後半戦での巻き返しを予測していた。
「やはり打力やな。オースティンが開幕に間に合わないらしいが、去年も後半に代打で出てきたくらいでおらんかったやん。佐野、牧、宮﨑とクリーンナップが安定しているのが大きい。得点力はヤクルトよりも上ちゃうか。ソトが6番、7番。外国人をこのあたりにおけるのが理想よ。抜群の肩をしている森もこれからもっと伸びてくる選手。投手力も先発左腕がいいしブルペンが充実している」
得点力のあるクリーンナップと、今永昇太、大貫晋一、濵口遥大を軸にした先発、入江大生、伊勢大夢、山﨑康晃、エスコバーと充実したブルペンというバランスのいい戦力を警戒していた。前日会見での発言は皮肉でも冗談でもない。