米メディアは藤浪デビューと大谷対決をどう報じたか…「支配した直後に暴走」「力が未知数のものであると思い知らされた」
アスレチックス対エンゼルスが1日(日本時間2日)にオークランド・コロシアムで行われ、先発デビューした藤浪晋太郎(28)と「3番・DH」で出場した大谷翔平(28)の“同級生対決”が実現した。藤浪は3回途中で8失点KO、大谷は、3回無死満塁で迎えた第2打席にフェンス直撃の強烈なタイムリーを放った。2人の対決を米メディアはどのように報じたのか。
2回を“完全”も3回に変貌し大谷にはフェン直適時打
期待が大きかった分だけ反動も大きい。エンゼルス打線に大量8失点を喫し、3回ともたずに55球でKOされた藤浪の初登板を、地元メディアも厳しい論調で報じた。
サンフランシスコやオークランドなど、西海岸のベイエリアをカバーする「ザ・マーキュリー・ニュース」は、藤浪のデビュー戦を前にして「アスレチックスの新スターターは、MLBを驚かせるだけの素質を備えている」と題した記事を掲載。さらに「ア・リーグの歴史に残る名投手たちのデビュー戦はこうだった」と銘打たれた特集も組んでいた。
記事で取り上げられたのは、いずれもアスレチックスでMLBデビューを果たしたレジェンド。通算224勝のキャットフィッシュ・ハンターや222勝のティム・ハドソン、165勝のバリー・ジトらの初登板を振り返りながら、藤浪のピッチングへ期待を寄せていた。
実際、最初の2イニングは3番・DHの大谷を含めた打者6人をパーフェクトに抑え、いずれも空振りで4つの三振を奪った。だからこそ、打者9人に対して3連打を含む5安打を喫し、さらに3四球を与え、犠牲フライで1アウトを取っただけで降板した3回の乱調ぶりを、同メディアは「試合を支配した直後に暴走してしまった」と報じている。
「最初の2イニングと3イニング目のコントラストは差がありすぎた。藤浪が最初の6人の打者に対して投じた球数はわずか23球で、そのうち17球がストライクだった。対照的に3回は32球のうち半分しかストライクが入らなかった。初回と2回があまりにも順調すぎるように思えていたが、実際に危惧されていた部分が顔をのぞかせてしまった」
一死満塁から6番のジェイク・ラムに2点タイムリーをセンター前へ運ばれ、スコアが0-6となった直後に、アスレチックスのマーク・コッツェイ監督から交代を告げられた。2番手のアダム・オラーも打ち込まれ、3回だけで大量11失点を献上。このうち「8」が藤浪の自責点となったが、同メディアはコッツェイ監督の前向きなコメントを伝えている。
「最初の2イニングに関しては、フジは素晴らしかったと思っている。フジは速球とスプリットで相手打者を圧倒していた。ただ3回は、先頭の(ルイス・)レンヒーフォをフルカウントからスライダーで歩かせてしまい、そこから負のスパイラルに陥ったようだ」
同メディアは捕手のシェイ・ランゲリアーズの言葉も伝えている。2回までに最速160kmをマークした直球を、もっと使うべきだったとランゲリアーズは悔んだ。
「最初の2イニングは速球がとてもよく効いていたが、対照的に3回はスピードを落としたボールを投げさせすぎてしまった。もっと速球で攻めるべきだった」