今日ゴング!那須川天心は日本バンタム級2位を相手に衝撃のボクシングデビューを飾れるのか…“勝ち食”は母親手製「愛のおかゆ」
プロボクシングのダブル世界戦と無敗の天才キックボクサー那須川天心(24、帝拳)のボクサーデビュー戦(8日・有明アリーナ)の前日計量が7日、東京ドームホテルで行われ、全選手が一発でパス。スーパーバンタム級6回戦で日本バンタム級2位の与那覇勇気(32、真正)と対戦する天心は、55.3キロのリミットぴったりでクリア。「本物の格闘技を見せる」と気合を入れた。果たして天心はどんなデビュー戦を見せることができるのか。
緊迫のフェイスオフの16秒間
やはりこの男ただ者ではない。
正式計量の20分ほど前に予備計量を行った天心はリミットまで100グラムアンダーだと聞かされると、なんとスポーツドリンクを一口、二口とグビグビと飲んだ。再び秤に乗って最終確認すると待機所に戻り本番では今回の契約のスーパーバンタム級のリミット55.3キロぴったりである。
わざわざ合わせたのだ。
「ピッタリがいいじゃないですか。(ボクサーとしての計量が)一発目、最初のデビュー戦なんで、かっこいいしね。余裕でした」
最近では、あの元バンタム級4団体統一王者の“モンスター”井上尚弥(大橋)や元4階級制覇王者の井岡一翔(志成)でさえギリギリを攻めて最後の微調整に失敗し、ほんの数十グラムの計量オーバーをしてしまっている。 デビュー戦の天心であれば、余裕を残してアンダーでパスするのが普通だが「思ったより落ちちゃったので、そういうの(微調整のミスが)なくていけましたね」と笑い飛ばす。
「(明日は)100%見せれますよ」
その肉体は、無駄な筋肉がそぎ落とされて見事なまでにボクサーバージョンに変貌していた。足が細くなり、大胸筋、広背筋は逞しくビルドアップされ、全体的にぎゅっと凝縮されたかのよう。前日に「ドラゴンボールのセルやフリーザも第一形態はめっちゃでかいが最終形態は研ぎ澄まされた形になっている。それだなと思って」と語っていたが、通常体重が62、63キロだった天心は「格闘技人生で一番疲れがめちゃくちゃたまった」というトレーニングと計算ずくの減量を経て、この肉体を作りあげた。
恒例のフェイスオフでは、与那覇が左手をアゴにやる「イケメン」ポーズを決めると、天心は拳を握りファイティングポーズを取って、ぐいっとにじり寄って、その目を睨みつけた。約16秒。思わず与那覇が、その左手を下げてしまうほどの迫力だった。
「僕の意志。あれで相手や周りに魅せられたんじゃないですか。生半可な気持ちじゃねえぞという意気込みを」
ニット帽をかぶり多くのメディアに囲まれた天心は、喧嘩腰のフェイスオフを仕掛けた理由を説明した。
「キックのデビュー戦を思い出す。あの時も今いち状況が理解できていない不思議な感じがあったんだけど今もそう。(キック時代と違いボクシングは)靴を履くしね。でも変な気負いもなく緊張もせず、そのままいける」
5歳から格闘後を始めた天心のキックボクサーのデビュー戦は2014年7月の「RISE」での有松朝戦。当時15歳だ。1ラウンド58秒に左ハイキックの一撃でKO勝利している。