今日ゴング!那須川天心は日本バンタム級2位を相手に衝撃のボクシングデビューを飾れるのか…“勝ち食”は母親手製「愛のおかゆ」
与那覇は6日の会見で意味深な発言をしていた。
「4月1日の公開スパーも映像で見た。1週間前に異例で珍しいことだし、しんどい時期に、あれだけのパフォーマンスを見せるのは凄いと思った。彼がリング上で言っていたが、見せようと思えば思うほど、自分にとってはありがたいし、倒しやすい。スピード以外は、すべて僕が優っているし、(天心が)速いからこそ逆にチャンスがある」
与那覇は沖縄尚学高時代に全国高校選抜大会のバンタム級で優勝して強豪の東洋大へ進んだアマエリート。2013年にプロデビューし、17戦12勝(8KO)4敗1分の戦績を持つ。 トリッキーな動きをする好戦的なボクサーで、パンチ力もある。右ストレートだけでなく、ボディ攻撃や至近距離でのアッパーも得意パンチだ。
飯田氏は、こんな展開予想をしている。
「与那覇選手がどう出るかによって展開は変わるでしょう。天心のスピードを殺すために突っ込んで、ごちゃごちゃの展開にするのか。逆にトリッキーな動きを交えながら、6ラウンド、あらゆる引き出しを駆使して引いてカウンター狙いのボクシングをするのか。与那覇選手は過去にはサウスポーを右ストレートで倒した試合もあるが、まず天心には、あのノーモーションの右は当たらない。おそらくサウスポーは得意ではないと思う。無理せずに引いてカウンター狙いでいけば、なんとかラウンド数を引っ張ることはできるかもしれないし面白い。ただ那須川選手のスピードに圧倒されてポイントをどんどん失います。おそらく那須川選手もカウンター狙い。自分から崩しにいき倒すことは難しいかもしれませんが、与那覇選手が出てくれば、そこに武尊戦で見せたようなカウンターのフックを合わせて終わる可能性が十分にありますよ。6ラウンドあればジャブからプレッシャーをかけていく天心がKOで与那覇選手を仕留めてしまうのでは」
天心は与那覇の研究を徹底的にはしていない。
「彼と戦っていない。相手ではなく自分」
キック時代からの父親の教えでもあり、何十個も用意してきたパターンを自分から仕掛けて後は、リング上での自らの感性に任せるという。
ボクシングは究極のタイミングのスポーツである。そのコンマ数秒の世界で、天心がどんな才能を見せてくれるのか。「天心にはパンチ力がない」説も根強くあるが、その真偽も確かなものになるだろう。
計量後の囲み会見の最後。独占生配信するアマゾンプライムビデオに「明日の意気込みを」と問われた天心は、こう話した。
「新たな気持ちでの第2章のスタート。格闘技に100%はないからどういう結果になるかはわからないが、最大限の準備をして心技体の全部を揃えた。明日は、本物の格闘技を見せます」
興行のメインは、WBAスーパー&WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(31、BMB)の2団体防衛戦で、セミが、元WBC世界バンタム級暫定王者の井上拓真(27、大橋)のWBA世界同級王座決定戦で、天心の試合は、その前の“セミセミ”。天心は青コーナーから登場することになっている。(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)