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記録に残らないミスが足を引っ張り巨人が4点のリードを守れずに逆転負け(写真・黒田史夫)
記録に残らないミスが足を引っ張り巨人が4点のリードを守れずに逆転負け(写真・黒田史夫)

「原采配には我慢が足りない」大物OB広岡達朗氏が5連敗の巨人に喝!…「若手が育っておらずまったく先が見えない」

 巨人が5連敗で開幕ダッシュに失敗した。坂本勇人(34)、丸佳浩(34)のベテラン2人が大不振で、スタメンを外れたゲームがあり、8日の広島戦では経験のない松田宣浩(39)を二塁で途中起用して失策につながるドタバタぶり。5連敗中のチームの得点は7点しかなく、9試合でのチーム失点は、試合数が1つ少ない横浜DeNAと並ぶリーグワーストで投手陣も不安定だ。巨人の大物OBで西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏に巨人の現状分析と今日から始まる阪神戦からの巻き返し策を聞いた。

「松田の二塁起用は論外だ」

 

 最悪のスタートとなった。開幕9試合までに5連敗を喫したのは2012年に続き11年ぶり5度目。その年は最大6.5差を逆転して優勝を果たし、日本一を奪い取っている。監督は原辰徳氏だ。
 この開幕ダッシュ失敗も優勝への“つまずき”にすぎないのか。
 巨人の大物OBである広岡氏は、「まったく先が見えない。11年前とは事情が違うよ」と一刀両断だ。
 まず球界大御所は5連敗の現状をこう分析した。
「開幕前から私は声を大にして言っているが、投手も野手もまったく若手が育っていない。危惧した通りだ。長野、松田が入ってベンチは明るくなったが、言っては悪いが、他所をお払い箱になった選手に、この危機的状況は変えられない。補強すべきはベテランではなかった。そもそもチーム作りが間違っていたんだ。去年使っていた増田陸、廣岡大志、松原聖弥らはどこへ行ったのか」
 野手の若手ではドラフト4位の門脇と3年目の中山が1試合ずつ不振の坂本に代わって遊撃でスタメン出場のチャンスをもらったが、広岡氏は、「2人はみどころのある選手だが、まだレギュラーを取るまでにはいかない。頭を使っていないというか、好機での打撃内容が悪すぎる。コーチが教えていないんだろう」と手厳しい。
 門脇は5日の横浜DeNA戦で「8番・遊撃」で出場したが、5回、7回と2度、走者を置いた場面で最低限の進塁打も打てず、中山は7日の広島戦で「1番・遊撃」で出場したが、1点を追う6回二死二、三塁で簡単に内野フライを打ち上げてしまっている。
 また古巣に出戻った長野は、2度、1番でスタメン抜擢され、6日の横浜DeNAではマルチ安打したが、8日の広島戦では、5打数ノーヒットで勝利に貢献できなかった。9日の広島戦では、代打から途中出場した松田を、そのまま二塁に入れた。松田は、巨人キャンプに外野グローブをも持ち込み、外野、三塁、二塁、一塁の練習をこなしてきたが、プロ17年で二塁を守ったことはない。案の定、6回に先頭の西川の打球を失策した。
 広岡氏は松田の二塁起用を「論外だ」と嘆いた。
「守備位置は固定しなければならない。今年の阪神がいい例。大山一塁、佐藤三塁、中野二塁と固め、ショートは小幡と木浪の併用だが、ポジションを固定したことで、失策が減るどころが好プレーを連発している。巨人とは対照的。しかも、もう石みたいに足の動かなくなっている松田に二塁など無理だ。原は、敗戦を選手の責任にしてはならない。起用している指揮官の責任なのだ」
 坂本が打率.115、丸が打率.097、吉川が打率.197と揃って大不振。坂本は2試合、丸と吉川も9日の広島戦でスタメンを外れた。広岡氏は、この原采配にも“物言い”をつける。

 

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