「原采配には我慢が足りない」大物OB広岡達朗氏が5連敗の巨人に喝!…「若手が育っておらずまったく先が見えない」
「坂本はどこか怪我の影響なのだろう。丸、吉川にしてもそうだが、ちょっと、どこかが痛い、まだ調子が上がらない、を理由に簡単にスタメンから外すような選手ではないし、そういう起用法をしていくと選手として怪我に弱くなり衰えていく。まだ開幕9試合ではないか。原の采配には我慢が足りない。まさか坂本や丸を2軍に落とすようなことは考えていないだろうとは思うが、実績のある彼らは試合に出て打席を重ねる中で復調していく選手。世代交代は必要だが、彼らを脅かすような若手を育てきれていない以上、まだ彼らを我慢して使わねばならないだろう。打順もコロコロと変えているが、それではつながりというものは生まれてこない。ここは、まずは1、2番、クリーンナップを固めて辛抱することだ」
広岡氏は新外国人のブリンソンに関しても不満がある。
ブリンソンは、4日の横浜DeNA戦で最終打席の二塁打が三塁打であればサイクル安打達成という大爆発をしたが、翌日のゲームで、前の走者を見ていない走塁ミスとアウトカウントを間違うという草野球でも起こらないようなボーンヘッドを重ねて先制機を潰した。
「野球を知らないのか。コーチがアウトカウントをしっかりと伝えていないのか。こんな外国人などいらない」
また投手陣も「戸郷一人では厳しい」と問題視する。
「そもそも開幕ローテーに新外国人を3人も使うような“助っ人頼み”のチーム編成が間違っている。しかも、その3人には球威がない。赤星、横川にしてもそう。オリックスの投手陣を見てみなさい。のきなみ球威のある投手が揃っているではないか。その違いがなぜ起きているかを巨人のフロントも首脳陣も考えねばならない」
広島戦との3連戦では、ビーディ、グリフィン、赤星の先発の3人がいずれも5回を持たなかった。開幕ダッシュの失敗から巻き返して優勝した11年前は、内海哲也、沢村拓一、杉内俊哉、ホールトンと最終的に2桁勝利した先発が4人もいたが、今の巨人で計算の立つ先発は戸郷だけ。
ただ広岡氏は「阪神とヤクルトの2チームが抜けているが、巨人には、まだAクラス入りの可能性はある」と見ている。その条件は、こうだ。
「ローテーションの立て直しに尽きる。キーマンは菅野だよ。せめて菅野と戸郷が2本柱として固まれば、Aクラスというものは見えてくるのかもしれない」
開幕投手を予定されながらも右肘の張りで回避、プロ11年目で初めて開幕1軍メンバーから漏れた菅野がいつ戦列に復帰できるのか。
今日11日からは東京ドームで伝統の巨人―阪神戦。巨人は、その第1戦に戸郷をぶつける。一方の阪神は、安定感のある西勇。
「もし戸郷で連敗を止めることができなければ、ますます悪循環になるだろうな」
広岡氏は、そう警告を発した。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)