「名古屋の指摘は事実に即していない」一部サポーターの違反行為を処分した浦和が名古屋の痛烈批判に異例の公開反論をした理由とは?
名古屋は3月下旬に、南側ゴール裏のSスタンドの運用を急きょ変更した。昨シーズンのホーム最終戦から、アウェイチームのファン・サポーターが立ち上がって観戦・応援できるエリアをSスタンドの1階から2階へ移動させ、今シーズンも継続継続させてきた。
しかし、施設利用規定にこそ明記されていないが、豊田スタジアムの上層階スタンドでは安全上の理由で、立ち上がっての観戦・応援が従来から禁止されてきた。開幕後に豊田スタジアムから安全順守を要請された名古屋は、自らの瑕疵を認めたうえでSスタンドの運用を再び変更。立ち上がって観戦・応援できるアウェイ指定席を1階エリアに移動させた。
浦和戦を含めてすでにアウェイ指定席が前売りされていた公式戦3試合に関して、名古屋は希望者に対して2階から1階へ座席を振り替えると発表。多くのファン・サポーターが駆けつける状況を想定して、浦和も公式HPや公式ツイッターで複数回にわたって告知した。
しかし、名古屋は10日に「浦和レッズの各種発信においては、クラブ間で合意した内容を独自に書き換え、事実と異なる認識を与えてしまう発信となることがありました」と非難した。これに対して浦和も、認識に齟齬があると次のように反論している。
「浦和レッズからの発信内容について、使用文言等の事前合意が存在していたという認識はございません。『書き換え』という表現は相互に添削を行うなどのプロセスがあった場合に用いられるべきであり、一連の弊クラブによる発信内容はそれに当たらないと認識しております」
両クラブ間の認識の違いはこれだけにとどまらない。
チケットの振り替えに関して、名古屋が「3/19(日)の浦和レッズ発信から試合開催まで追加の協議を行った事実はないにもかかわらず、2階から1階への座席位置変更の協議を継続しているかのような発信」と指摘した件へも、浦和は次のように反論している。
「発信内容は『協議を行ってまいります』としており、『行っています』や『行いました』と記してはおりません。加えて、当該発信以降にも弊クラブからは協議を持ちかけていた事実には触れず、弊クラブからEメールにて、2階席での立ち見の安全性に関する名古屋グランパス様から関係各所への確認の有無に触れた際にも、その点にはご回答をいただけなかった経緯もありながら、結果的に協議が実現しなかったことを理由に弊クラブがファン・サポーターのみなさまに虚偽の報告を行ったという受け取り方もできてしまうこちらの表現は不適当であると考えております」
名古屋戦を直前に控えた段階で、浦和は「試合当日、アウェイ指定席入場入口付近にクラブスタッフもおりますので、お声がけください」とも呼びかけている。
これに対しても、名古屋は「当初から振替に必要な座席数を確保し、試合当日のスタジアムでは名古屋グランパスが対応することを両クラブで確認を終えていたにもかかわらず、浦和レッズのスタッフが振替対応を行うと誤認させるような発信」と指摘した。