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エースの青柳が5回に横浜DeNA打線につかまり逆転を許す4失点の炎上
エースの青柳が5回に横浜DeNA打線につかまり逆転を許す4失点の炎上

なぜ阪神の岡田監督は開幕投手の青柳が5失点で”自滅”した敗戦を「一番しょうむない試合」と表現したのか?

 阪神が14日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦に3-8で完敗。昨年からレギュラーシーズンの戦いで続いているハマスタでの連敗が9に伸びた。横浜DeNAとの開幕投手を務めて勝利投手となっていた青柳晃洋投手(28)が5回を投げきることができず5失点の背信。阪神は先取点を奪ったものの逆転負けを喫した。開幕12試合目にして初めて味わう途中ギブアップのようなゲーム展開を岡田彰布監督(65)は「(ここまで12試合で)一番しょうむない試合やった」という言葉で表現した。

 悪夢の5回にエース青柳が3連続四死球

 

「一番しょうむない試合やった」
 試合後にベンチ裏の素振りルームで、椅子に座らず、立ったまま囲み会見に応じた岡田監督のひとことがすべてだろう。
「しょうむない」は「しょうもない」の「も」を「む」と発音する大阪弁だ。意味は、「つまらない、面白みがない、くだらない」など。
 岡田監督は「展開的にな。あっこで、ああいう感じになったら、どうしようもない」と続けている。
 指揮官が、言わんとしたのは、6回で6点差がついてしまったゲーム展開だ。先発の青柳が踏ん張れず5回に4失点。4失点で逆転を許して3点差とされ、さらに2番手のルーキー富田も、6回に代打ソト、佐野に2者連続の左右フェンス直撃の二塁打を浴びるなどで3失点し、3イニングの攻撃を残して、6点差をつけられ、ゲームの行方が決まってしまったことにある。開幕から12試合目にして初めて途中ギブアップのゲーム展開になった。
「今年一番悪かった」
 指揮官がそう評した青柳は、立ち上がりから制球が定まらず、ボール先行のいわゆるカウント負けの投球が続く。だが、バックの好守に助けられ、失点の難は逃れた。1回は一死一塁から、開幕では、青柳対策でスタメン落ちしていた宮崎に三遊間に痛打されたが、木浪が飛びつくようにして逆シングルで止め、そのまま体を反転させてゲッツーを成立させた。
 2回にも一死一塁から関根にレフト前ヒットを打たれたが、ノイジーが元内野手らしい正確なワンバウンド送球で三塁を狙った牧を封殺した。
「どっちも点取られている展開。1回、2回、あんだけ助けられたんやから、そら立ち直らなあかんわ」
 岡田監督は、開幕投手を任せた青柳の“修正力”に期待したが、シンカー、ツーシーム、スライダーを内、外の微妙なゾーンにボール半個の出し入れをする自慢のスタイルを取り戻せない。
 4回には一死から“WBCショック”を脱出した牧に甘いツーシームを引っ張られてフェンス直撃の二塁打。二死になってから関根に2回に続きまたゾーンに甘く入った外のツーシームを逆方向へ狙い打たれた。
 開幕戦で、宮崎、ソト、桑原を外すという仰天の青柳攻略オーダーを組みながらも、6回途中まで1失点に抑えら地団駄を踏んだベイ打線は、この日、青柳対策を徹底してきていた。
 そして悪夢の5回だ。
 一死から佐野にライトフェンス直撃の三塁打を浴び、続く神里にはデッドボール。宮崎も四球で歩かせて、満塁となって、牧に同点の押し出し四球を与えた。ボールが引っ掛かり、修正をかけると、今度はボールが抜ける、という悪戦苦闘の末、続く、桑原に初球をレフトへ簡単に運ばれ、勝ち越しの犠牲フライを許した。桑原は、2回、4回のチャンスに、いずれも初球を打って凡フライ。初球は要注意で配球で防げる場面だった。本来、ゴロピッチャーである青柳が、こうもフライを続けて打たれることが異常を示していた。青柳でなければ、岡田監督は、ここで交代させていただろう。
 だが、球数は、まだ80球。岡田監督は、開幕投手に指名したエースの責任感に勝負を預けた。
「1点やったら、分からへん。打順回るまで投げさせとったよ。球数も少ない。1点ぐらいやったら投げさすよ」

 

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