「最高の投球見せるも歴史的勝利に届かず」米メディアも指揮官も藤浪晋太郎の7回途中3失点を評価「傑出の仕事をした」
アスレチックスの藤浪晋太郎(29)が、メジャー3度目の登板で初めてクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成した。15日(日本時間16日)に本拠地オークランド・コロシアムで行われたメッツ戦に先発した藤浪は、自己最長の7回途中を4安打5奪三振、3失点と粘投。2-2と追いつかれた直後に交代し、後続が打たれて3敗目を喫したが、課題だった制球力も3四死球と踏ん張った92球を、米メディアも好意的に報じた。
敗戦もコッツェイ監督は絶賛
メジャー初勝利が幻となりバトンを託したリリーフ陣が崩壊して3つ目の黒星がついた。それでも自己最長となる6回3分の0を投げて3失点と踏ん張った藤浪の3度目の先発を、アスレチックスの地元メディアも好意的に報じた。
オークランドを含めたサンフランシスコ近郊をカバーする「ザ・マーキュリー・ニュース」は、タイトルに「藤浪が最高の投球を見せるも歴史的勝利には届かず」と打った記事のなかで、試合後の藤浪とマーク・コッツェイ監督の第一声を伝えている。
7回の先頭打者、6番のマーク・キャンハに痛恨の同点ソロを浴び、続くダニエル・ボーゲルバックを歩かせた直後に交代した藤浪は、反省と手応えを口にした。
「過去2回の登板では、あまりにも多くのことをやろうとしすぎた。それでもメジャーリーグの雰囲気にも慣れてきたし、マウンド上での居心地もよくなってきました」
最終的には2-3のスコアでメッツに連敗。3勝12敗でア・リーグ西地区最下位に沈むだけでなく、メジャー30球団でワーストの勝率.200にあえぐアスレチックスの指揮官は、藤浪のピッチング内容を唯一の収穫にあげた。
「藤浪を7回のマウンドに送り出せたのは、彼にとってもチームにとっても大きな前進だった。今日の彼は傑出した仕事をした。彼の速球は相手を支配できるし、それが他の球種も生かす。今日のようなピッチングを持続できれば、彼は本当にいい投手になるだろう」
過去2回の先発は、期待を大きく裏切る結果に終わっていた。
1日のエンゼルス戦は2回までをパーフェクトに、8日のレイズ戦では3回までをノーヒットに封じながら、突如として荒れて四死球を連発して自滅。8失点、5失点を献上し、防御率が17.55とまさに崖っぷちの状況で3度目の先発を迎えた。
この日は、4回に4番のピート・アロンソに喫したソロによる1失点だけに抑え足を踏み入れていない5回以降のマウンドに立った。
前出の「ザ・マーキュリー・ニュース」は特に6回の投球にスポットライトをあてて高く評価している。
「6回の先頭打者、スターリング・マルテにいきなり死球を与えたが、続くメッツのクリーンアップをすべて内野ゴロに打ち取った。そのなかでも際立ったのは、二死三塁で左打者のジェフ・マクニールを迎えたピンチだ。ブルペンで左腕のサム・モールがスタンバイしていたにもかかわらず、藤浪は昨シーズンのナ・リーグ首位打者を一塁ゴロに打ち取ったのだ」