「最高の投球見せるも歴史的勝利に届かず」米メディアも指揮官も藤浪晋太郎の7回途中3失点を評価「傑出の仕事をした」
他の先発投手が中4日もしくは中5日で登板しているのとは対照的に、藤浪だけは初登板から中6日で毎週土曜日を任されている。日本での登板間隔に合わせて首脳陣が考案した特別な措置であり、だからこそ余計に結果を求められる立場でもあった。
実際、3度目の登板が近づくなかで、開幕を前にして怪我で故障者リストに入り、先発ローテーションから外れていた両右腕、ポール・ブラックバーンとドリュー・ルシンスキーが3Aで復帰した報じられた。その3Aではさらに、2021年のドラフト3巡目指名で、全体では97位で入団したホープ、メイソン・ミラーが好投を演じていると伝えるメディアもあった。
投壊が続けばローテーションの再編も必要だ、と指摘されかねない状況が整いつつあったなかで藤浪が初めて期待を抱かせる投球を見せた。
MLB公式のアスレチックス担当、マーティン・ガイェゴス記者は速報記事で「藤浪はここまで散発的な輝きを放っているが、そのすべてがそろう日にはどのような投球を見せるのかが興味津々である」と伝えている。
「今日は藤浪のベストではなかったかもしれないが、彼が目指しているレベルへの一歩を踏み出せたのではないか。これまでと同じ藤浪だったら、初めて四球を与えた5回で崩れていたのかもしれない。しかし、この日は捕手のカルロス・ペレスが合図を送った後に藤浪は腰をすえた。ペレスは試合後に『私は彼を少し落ち着かせようとしただけだ。時として彼は急いでしまうが、ストライクを投げられれば問題はない。彼は本当に素晴らしいものを持っているからね』と語ってくれた。今日の試合で、藤浪がメジャーで成功するための青写真が見られたと思っている」
ガイェゴス記者が指摘した5回は、一死から8番のルイス・ギローメをストレートで歩かせた。さらに9番のフランシスコ・アルバレスへの初球も大きく外れた直後にペレスだけでなく内野陣、さらにスコット・エマーソン投手コーチもマウンドへ集まってきた。
誰もが「またか」と危惧した状況で、周囲の励ましもあって落ち着きを取り戻した藤浪はアルバレスを空振り三振に、ニモをライトフライに打ち取った。前述したように、先頭のマルテに死球を与えた6回も直球とスプリットのコンビネーションでねじ伏せた。次回登板は中5日の21日(日本時間22日)のレンジャーズ戦になるとも報じられている。