ジャッジまで「大谷翔平が（FAで）どこに行くか楽しみだ」ヤンキースで話題独占の大谷FA動向…NY紙はエ軍監督「どこでも成功する」“意味深”インタビュー掲載

　エンゼルスの大谷翔平（28）が18日（日本時間19日）、敵地のヤンキースタジアムでのヤンキース戦に「2番・DH」でスタメン出場し1回の第1打席で7試合ぶりとなる先制の4号2ラン、5回には今季初の盗塁を成功させて追加点につなげるなどの活躍で5―2の勝利に貢献した。敵地NYメディアやファンの関心は、今オフにフリーエージェント（FA）となる大谷の動向で、資金力では群を抜くヤンキースが大谷を獲得できるかどうかという点にあり、ニューヨークポストは、エンゼルスのフィル・ネビン監督の半ば“引き留め断念”とも取れる意味深なインタビューを掲載した。

「大谷に対する最終的な金額は、桁外れに大きなものとなる」

　NYでのシリーズ初戦に大谷は先制4号2ラン＆追加点につなげる盗塁と大暴れしてヤンキースのファンに地団駄を踏ませた。ヤンキースにとって今は憎っくき敵である二刀流スターだが、一方でチームやファンは今オフのFAでピンストライプに袖を通して欲しいという願望がある。
　米ブリチャーリポートによると、昨年のMVPを最後まで大谷と争ったアーロン・ジャッジまでもが、エンゼルス戦前に大谷のFA動向について聞かれ、「彼は素晴らしいオールラウンドアスリートだ。彼を見るのはエキサイティング。彼がどこに行くのか楽しみだ」と、今オフのFA動向に注目していることを明かした。
　またデイリーニューズも、今季初めてNYに登場した大谷の初戦の活躍を受けて「今オフのFAとなるエンゼルスのスーパースターがシリーズ初戦で左打ちのパワーをいきなり見せつけた。（今オフに移籍し）ピンストライプに袖を通す大谷を夢見るヤンキースのファンたちは、火曜日夜、現代のヤンキースタジアムでの一撃をもって彼が何をできるかをしっかりと目にした」などと報道。
　今オフのFA動向について「他のすべてのチームのようにヤンキースもまた今オフにFAとなるこの選手がラインアップやローテーションに加わる恩恵を受けることができるだろう。もちろん、彼の能力を獲得するためには大金を積む、もしくは、この夏のトレード期限で可能となれば有望選手が必要となり、この唯一無二の選手へ向けた争奪戦が起きることは確かだろう」と伝えた。
　NYで“大谷旋風”が巻き起こっている中、エンゼルスのネビン監督の意味深なインタビューを掲載したのがニューヨークポストだ。
「大谷のFA動向についてのエンゼルスの監督は『どこでも成功するだろう』」との見出しを取って、2018年から2021年まで4シーズン、アーロン・ブーン監督のコーチングスタッフとして、ヤンキースに所属していたネビン監督の声を伝えた。
　今オフのFA争奪戦で、資金力のあるヤンキースが移籍の有力候補のひとつになることは間違いないが、ネビン監督は、「大谷はニューヨークのような大きな市場でプレーすることが合っているか？」との質問に「そのことについては考えたくない。彼は、今我々のチームにいる。彼は素晴らしいチームメートで選手だ。彼がいてくれて幸運だし、これからも長くいてほしいと願っている」と断言。当然のように残留を強く希望した。
　ただ同紙は、「現実問題として初回に2ランを放ちエンゼルスの5－2の勝利に貢献した大谷が、チームと契約延長か新たな契約を結ばずにFAとなれば、おそらくFA史上で最も引く手あまたの選手となるだろう。ジャッジがヤンキースと昨年オフに9年3億6000万ドル（約485億円）の契約を結んだ余波がある中、野球界で最高の打者で最高の投手であることを自身で証明してきた大谷に対する最終的な金額は、桁外れに大きなものとなるだろう。そしてアナハイムは、ロサンゼルスから遠くないとはいえ、エンゼルスは、ヤンキース、メッツ、あるいはドジャースのように注目を集める大市場のチームとしては通常、見なされていない」と続け、想像を絶する金額でのFA争奪戦が起こる可能性を伝え、その場合、ヤンキース、メッツ、ドジャースなどの資金力のある大都市の大型人気チームが有利となることを暗にほのめかした。