「どれくらいの期間チャンスを与え続けるつもりなのか」米メディアが8失点KOの藤浪晋太郎を辛辣批判…「状況を好転させねばブルペン(中継ぎ)行き」
だからこそ、4度目の登板でまたもや見せた乱調は背信に映った。
2点の援護を得て臨んだ初回。先頭のマーカス・セミエンをいきなり歩かせた。フルカウントから外角を狙って投げた160kmの直球は、ホームベースのはるか手前でワンバウンド。捕手のシェイ・ランゲリアーズも捕球できない荒れ球だった。
二死後に4番のアドリア・ガルシアを迎えた初球。ど真ん中に投じた143kmのスライダーを軽々とレフトスタンドに運ばれ、瞬く間に同点とされた。続く2回も立ち直る兆しが見えない。一死二塁でセミエンに投じた3球目が、この日の藤浪を象徴していた。
ランゲリアーズは外角を要求していたが、投じられたのは内角高目にすっぽ抜け、ランゲリアーズも捕れない155kmの直球。暴投で三塁へ進んだ走者が、セミエンの左前打で楽々と生還した。暴投の直後から4球続けてスプリットを投げるもことごとくファウルされ、フルカウントから選択した137kmのスライダーが甘く入ったところを完璧に弾き返された。
NBCテレビでアスレチックス情報を専門的に扱っている「A’s on NBCS」は、試合後に更新した公式ツイッター(@NBCSAthletics)でコッツェイ監督のインタビュー動画を投稿。指揮官は「今夜の彼が直球に自信を持てていないことは、試合が始まってすぐに明らかになった」と、ア・リーグ西地区の首位を走るレンジャーズに痛打された藤浪に厳しく言及している。
「直球に自信を持ち、直球でストライクを取る作業について、フジ(藤浪)は厳しい戦いが続いている。結果としてスプリットに頼らざるをえなくなったが、相手は非常にいい打者がそろっていて、ストライクゾーンに甘く入ってくるスプリットには易々と対処できる。非常に残念なことだが、このレベルの相手打線にそれをしてしまっては逃げ切れない」
二死一、二塁でガルシアへ投じた初球も直球への自信を大きく失わせた。155kmの直球は死球となり、前打席で放った本塁打への報復と受け止めたガルシアが藤浪をにらみながらマウンドへ歩みかけた。あわや乱闘の場面を「FOX SPORTS」はこう伝えている。
「速球を左腕にぶつけられ、激高した様子のガルシアの前に、球審のジョーダン・ベイカーがすかさず歩み寄った。ガルシアは藤浪と言葉を交わすことなく一塁へ歩いていった」
続くジョシュ・ヤン、さらにヨナ・ハイムにいずれも149kmのスプリットを弾き返される。4点を追加され、スコアが2-7となった時点で実質的に勝負はついた。