鎌田大地の移籍先にポルトガル名門ベンフィカが急浮上
記事が指摘した通り現時点でアトレティコもバルセロナも、鎌田の獲得合戦を制するうえで具体的な動きを見せていない。状況を注視している、といっていいだろう。
アトレティコはディエゴ・シメオネ監督の構想から外れている数人の選手を放出し、今シーズンの年俸総額を可能な限り圧縮させる作業を優先させている。さらに同時進行でフランス代表FWのマルクス・テュラム(25、ボルシアMG)の獲得にも動いている。
財政難にあえぐバルセロナは、6月末でパリ・サンジェルマンとの契約が満了を迎える35歳のスーパースター、メッシを復帰させる交渉を今夏の最優先事項に掲げている。最盛期の4分の1の金額とはいえ、年俸2500万ユーロ(約37億円)の2年契約を用意するだけに、他の補強はすべてメッシの後になるだろう。
両クラブのこうした動きを「優柔不断」と指摘した「Dosis Futbolera」は、ベンフィカ経由で鎌田がステップアップを狙うと報じた記事をこう締めくくっている。
「アトレティコとバルセロナが抱える悩みを突いて、鎌田を獲得する可能性があるベンフィカは、日本人クラッカーの獲得レースで重要な役割を果たすだろう」
ポルトガルはヨーロッパにおいて、5大リーグに次ぐセカンドグループにランクされる。そのなかでポルト、スポルティングと3強を形成するベンフィカは、国際サッカー歴史統計連盟が2009年に算出した「20世紀最高のクラブランキング」で9位に入った実績を持つ。
最高峰の舞台であるUEFAチャンピオンズリーグでも常連で、現時点で2010-11シーズンから13大会連続で本大会に出場している。残り5試合となった今シーズンのプリメイラ・リーガでも2位ポルトに勝ち点4ポイント差をつけて首位に立ち、4シーズンぶりの優勝へ近づいている。つまり、来シーズンも間違いなくチャンピオンズリーグの舞台で戦える。
アトレティコとバルセロナが具体的に動き出すのは、シーズンがオフに入った6月以降となるだろう。もしかすると7月にずれ込む可能性も否定できない。来シーズンの去就に関して鎌田自身が早い決着を望むならば、ベンフィカは無視できない存在になってくる。