WBCの準決勝で村上宗隆に逆転サヨナラ二塁打を浴びて悲劇のクローザーとなったメキシコのジオバニー・ガイエゴス(カージナルス)が(写真・AP/アフロ)
「大谷翔平にボール球を打たれたのが…」WBCメキシコ守護神が今振り返る侍Jに許した逆転サヨナラ劇の真実…「佐々木と山本はメジャーで通用する」
改めて2人の投手に話に戻すと、「ササキが初回から100㍄(161キロ)以上の真っすぐを投げていて、球場もざわついた。ブルペンでもみんな、『おい、誰だ?』という感じだった」と振り返り、逆にこう質問してきた。
「彼はすごいプロスペクトなんだろう?」
昨年4月10日のオリックス戦で佐々木が完全試合を達成し、次の試合でも8回までパーフェクトだったことを伝えると納得したようで、「こっちにくるのはいつ? 間違いなく活躍できる」と評価した。
2番手の山本由伸についても、「体はそんなに大きくないけど、90マイル台(150キロ)後半が出るし、カーブ、スプリットもいい。佐々木よりも完成度が高い印象だった」と話している。
「彼も間違いなくこっちで通用する。WBCでそれを証明した」
そこで練習が始まる時間になったが、改めて彼は言った。
「スタンドにいた日本とメキシコのファン。彼らの熱気もすごくて、自分が関わった試合の中では最高だった。負けたけど、あそこまで戦えて楽しかった」
誇り高き敗者の姿が、そこにあった。
(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)