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WBA世界バンタム級王者となった井上拓真が幼い頃から住んでいる座間市の市民栄誉賞を受賞した
WBA世界バンタム級王者となった井上拓真が幼い頃から住んでいる座間市の市民栄誉賞を受賞した

座間市民栄誉賞の井上拓真が「兄より早く4団体を統一したい」と”尚弥超え”を宣言…V1戦候補の1人に兄因縁の元世界王者が浮上

 実は井上家とは因縁のある相手。尚弥がスーパーフライ級王者時代に統一戦を交渉していた元WBA世界スーパーフライ級王者で、元日本フライ級王者の村中優や、現在WBA世界バンタム級3位にいる石田匠(31、井岡ジム)らを破ってきた日本人キラー。結局、ヤファイは、尚弥との統一戦ではなく、元4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス(35、ニカラグア)との対戦を選び、2020年2月に9回TKO負けを喫した。プロ初黒星で6度目の防衛に失敗。その後、長いブランクを作ったが、昨年11月に階級を上げて再起に成功して最新ランキングでは5位となっている。
 また4位の13戦無敗で豊富なアマ経験を持つビクトル・サンティジャン(27、ドミニカ共和国)も対戦候補の1人。いずれにしろ拓真陣営に選択権はなくWBAが誰を指名挑戦者として認定するかだが、拓真は「(誰がきても)油断はできない。そこに勝って自信をつけて統一戦が理想」という。
 兄が返上した4つのベルトのうち、新王者が決まったのは、拓真のWBAだけだが、WBOの王座決定戦は、5月13日に米国で1位のジェイソン・モロニー(32、豪州)と2位のビンセント・アストロラビオ(26、フィリピン)の間で争われ、前出したIBFの王座決定戦では、ロドリゲスとロペスが対戦する。またWBCの王座決定戦には、尚弥と2度対戦した元5階級制覇王者のノニト・ドネア(40、フィリピン)が出場すると見込まれており、拓真は「ロドリゲス、ドネアが、そこに絡んでいったら面白いと思う」と、かつての兄のライバル達との統一戦を心待ちにしている。
 4団体統一へ向けての強化イメージもできている。
「ソリス戦には満足していない、ああできた、こうできたという反省点が多い。そこを改善していく。まだまだノビシロはある。勝ちに徹するが、魅せる部分も意識してどんどん取り入れていきたい。ディフェンスは、もうできる。ワンツーを倍以上出せるように。相手にダメージを与えていくスタイルも取り入れていく。いろんないい選手を見て」
 ソリス戦は、判定決着となったが、攻撃力アップに力を入れ、兄のようなファンを魅了する倒すボクシングを突きつめていく。
 すでにソリス戦の1週間後には、兄に誘われ、夜の座間を走り、ロードワークも再開した。その1週間後にはジムワークも始めている。タイトル戦で右拳を痛め、肘を使う“反則技”で左目の上も切り裂かれた。まだ拳には痛みが残るが、7針縫ったカット部分の抜糸は終わったという。
「まずは兄をしっかりサポートしていきたい」
 尚弥は、7月25日に有明アリーナでWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(28、米国)とのビッグマッチに挑む。拓真はV1戦を前に黒子役に徹して兄弟世界王者誕生を全力でバックアップする。

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