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今村聖奈(上)永島まなみ(左下)古川奈穂(右下)ら実力、人気のある女性騎手5人を含む若手騎手6人が禁止されているスマホの使用で騎乗停止処分を受けた
今村聖奈(上)永島まなみ(左下)古川奈穂(右下)ら実力、人気のある女性騎手5人を含む若手騎手6人が禁止されているスマホの使用で騎乗停止処分を受けた

なぜ人気女性騎手ら若手6人が禁止のスマホ使用で騎乗停止となる前代未聞の事件が起きたのか…背景にZ世代の認識不足と新型コロナ禍影響

 ある若手騎手が所属する厩舎の調教師は「言語道断だ。彼女らは、身近にいる厩舎関係者となら連絡を取り合ってもいいと思っていたようなところがある。騎手としていいこと、ダメなことは、当然、分かっていると思っていたが、こちら側の教育が足りなかった」と、反省して世代間のギャップを嘆いた。
 一方でJRAの管理不足という側面もある。
 実は、調整ルーム内へのスマホなどの電子機器の持ち込みが厳しく禁じられていたわけではなく、職員に届け出を行い、ダウンロードされた過去のレース映像などであれば閲覧は認められていたとのこと。
 某元騎手は「今どきとはいえ、騎手同士で馬の情報を交換し合っており、そんなときに映像が役に立っているのだろう。勝負師ではなくなっており、特にいまの若手は仲がいい」と昨今の事情を話す。
 過去には2015年3月にJRAの騎手になったばかりのクリストフ・ルメール騎手(43)が、阪神競馬場の調整ルームでツイッターに投稿したことから30日間の騎乗停止となるなど、スマホの不適切な使用は、その後も起きている。
 さらに今回の若手ジョッキーのデビューが、新型コロナ禍という特殊な環境と重なっていたという特殊な時代背景もあった。通常の指定の調整ルームは、”密”になるため、自宅や認定調整ルーム(ホテル)から競馬場に入ることが認められ、それにともないスマホの管理が緩くなった面は否めない。
 また女子ジョッキーが一気に増えた多様性の時代にJRAの管理体制が追い付いていなかったという事情もある。
 ジョッキールームは、男女で分かれており、密室に近い女性のジョッキールームのチェックが行き届かなかった。久保審判部長は、「男子は数も多いので、互いの目が気になっただろうが、女性ジョッキーは6人しかおらず閉鎖された空間で、我々も入りづらい。管理が甘くなったと思う」と反省した。6人しか所属のない女性ジョッキーの場合、先輩ジョッキーから注意を喚起されるなどの環境もなかったのである。
 不正防止の観点から、他の公営ギャンブルでも、開催期間中に施設に隔離するのは当然のこと、スマホの使用に関しても厳しく管理している。例えば、女性レーサーの多いボートレースでは、男女問わず、スマホについては徹底管理。レース前日の前検日に所持しているスマホを主催者側に提出。開催中は、ずっと保管されて使用できず返却されるのはレース最終日にレース場を出るときだ。あるレーサーは「毎回、スーツケースを開けて荷物検査があるし、ある選手が2台あるうちの1台を提出し忘れ、その後に渡したのに1年間レースに出られなかったこともある」という話をしていた。

 

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