神戸が6月6日に国立でバルサと親善試合を行うが、退団濃厚のイニエスタの日本ラストマッチとなる可能性が高い(資料写真:松尾/アフロスポーツ)
神戸が6月6日に国立でバルサと親善試合を行うが、退団濃厚のイニエスタの日本ラストマッチとなる可能性が高い(資料写真:松尾/アフロスポーツ)

6.6国立バルサ戦がイニエスタの日本ラストマッチ?!

 全体の約3分の1にあたる12試合を終えた段階で、神戸は8勝2分け2敗の勝ち点26をマーク。王者マリノスに2ポイント差をつけて首位をキープしてきた過程で、復帰後のイニエスタはすべて途中出場でわずか3試合、時間にして38分しかプレーしていない。
 序盤からJ2降格圏にあえぎ続けた昨シーズンとは、あまりにも対照的な好調ぶり。2018年夏の来日時からボールをつなぐ「バルセロナ化」の象徴を託されてきたなかで、キャプテンとして今シーズンの戦いを最後まで見守りたいと考えているのと同時に、神戸で果たすべき役割が終わりを迎えかけていると感じていても決して不思議ではないだろう。
 バルセロナから3年半契約で加入したイニエスタは2年前に、今シーズン終了までさらに2年間延長している。つまり夏に移籍すれば違約金が発生し、満了すればフリーで移籍できる。これまで何度も神戸への愛を語ってきたイニエスタだけに、いま現在のスタイルをより強固なものにするための資金として、違約金を置き土産にしたいと考えている可能性もある。
 バルセロナ戦の主催はJリーグ、主管は楽天ヴィッセル神戸株式会社と東京都サッカー協会がそれぞれ名を連ね、さらに企画制作として「NSN」が記されている。イニエスタ自身も共同創設者を務める、イニエスタのマネジメント会社が実は「NSN」となる。
 6月第1週に来日したいバルセロナのオファーを受けた同社が、今夏での    神戸退団をメインの選択肢にすえていたイニエスタの意向を踏まえて調整。いまも深い愛着を注ぐ古巣との国際親善試合を、日本における最後の舞台に決めた流れは十分に考えられる。
 今シーズン最長の26分間にわたってプレーした7日の横浜FC戦後の取材エリアを含めて、イニエスタは自身の去就に言及していない。ただ、来日を発表したバルセロナのツイートへのリプライとして、ほぼ同じタイミングで自身のツイッター(@andresiniesta8)を更新。ハートマークとうっすら涙を浮かべた顔文字を投稿している。もちろん嬉し涙にほかならない。

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