横浜DeNAの超大物バウアーが曝け出した“弱点”とは…巨人戦で6回3本塁打7失点の“大炎上”
横浜DeNAの元サイヤング賞投手トレバー・バウアー(32)が9日、新潟のハードオフエコスタジアム新潟で行われた巨人戦に来日2度目の先発、6回を投げて3本塁打を含む11安打7失点と“炎上”してチームも2-9で敗れて敗戦投手となった。2盗塁を許すなど機動力で揺さぶられ、高めに浮いた変化球を狙い打たれた。バウアーの弱点が浮き彫りになった形だが、5年連続2桁勝利した超大物メジャーリーガーが、3度目の登板に向けてどう修正してくるかに注目だ。
岡本に先制アーチを浴びる
バウアーも人間だったというわけか。
3日の広島戦で7回98球を投げて毎回の9奪三振の7安打1失点で勝利投手となる鮮烈のデビュー戦を飾っていた元サイヤング賞投手が、2度目の先発マウンドで、まさかの6回11安打7失点(自責は6)で敗戦投手となった。
しかも本塁打を3発も打たれた。
スポーツ各紙の報道によると「良かったとは言えない結果」と103球の投球を振り返り、“炎上“理由として「球種の選択ミス、ボールの精度、巨人のゲームプラン」の3つをあげたという。
ライバル球団の某スコアラーはこう分析した。
「巨人は、おそらくどの球団も共通認識として持っていたバウアーの攻略法を実行した。機動力を使った揺さぶりと、絞りにくい変化球を球種でなく、コース、あるいは高低、打球方向を決めて攻略すること。変化球が高く浮いた理由には地方球場のマウンドの影響もあったと思う」
巨人はバウアー対策を徹底してきた。
1回一死から丸が高めに浮いたナックルカーブを逆方向に運ぶ。そして続く坂本の打席でカウント2-2から盗塁を仕掛けたのだ。アウトになったが、これがバウアーの心理にひとつのクサビを打ち込む。
ここまでのネット裏のアナリストのチェックによると、セットポジションからのバウアーのクイックは、最速1.18秒で、悪い数字ではないが、右膝を折り、重心を一度、右に置いてから投げるのが、本来の投球スタイルでセットからでも1.30秒を超えるものが多くあり、クイックでは制球や球威、変化球のキレが明らかに落ちるという。
他球団は「クイックは得意ではない。揺さぶられるのを嫌がる」という点をバウアーの数少ない弱点だと睨んでいた。巨人は、そこをついてきたのだ。
一塁走者の丸に対しては、速い牽制球を1球投げたが、先発デビューの広島戦では、一度も牽制を行わなかった。ファームの試合では投げていたが、タイミングを外すだけで刺すことを意識した速い牽制球は、この日が初めて。ライバル球団のスコアラー陣は、それらのバウアーの所作から「バウアー攻略には機動力」と狙っていたのである。
巨人は2回に岡本が高めに浮いたストレートを左中間スタンドに運び先制したが、さらに二死から梶谷が、ストレートを逆方向に弾き返して出塁すると門脇の打席で揺さぶりをかけて盗塁に成功した。
その門脇の一塁線を襲う打球をソトが好捕したが、バウアーの一塁カバーが遅れて、足から滑り込んだ門脇と一塁上で交錯。一度はアウトの判定が下ったが、原監督のリクエストで覆り、二塁ランナーの梶谷がホームまで走っていたことから2点目が入ったのである。