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なぜ井上尚弥との対戦を夢見る“ネクストモンスター”候補の堤駿斗とABEMAは独占配信スポンサー契約を結んだのか

 この間、刺激も受けた。幼馴染で親交のある那須川天心(帝拳)のプロデビューと、同階級で高校時代からライバルだった松本圭佑(大橋)の日本フェザー級王座奪取だ。天心の試合は、ライブ配信、松本の試合は米国にいた関係で、時間差で映像をチェックしたという。
「天心があのくらいはできることは知っていた。結果にも内容にも驚かなかった。ポテンシャルは高いし、プロのリングでの落ち着き方、試合の慣れが凄いと思った。圭佑は、一緒に合宿に行っていたので応援していた。しっかりと完封して自力がついたなと。強力なライバルだと改めて思った。無事に勝ってくれて自分にもいい感じで火がついた」
 松本とは、この2月に鹿児島の徳之島で野木トレーナー主催の走り込み合宿を共に行った。それだけに先にベルトを巻いたライバルの戦いにまたひとつモチベーションが高まった。
「今回、いい内容で勝てれば、次に世界ランカーとやってもいいと思う」
 そのずっと先に見据えている大目標もある。
 モンスター井上尚弥とのドリームマッチだ。
「名前を出すのもおこがましいと思うが、一番強い、パウンドフォーパウンドの井上尚弥さん(との対戦)を目指している。今は階級は違うが、まずは、僕がフェザー級で世界をとって、対戦できる立ち位置までいくことを目標にしている」
 井上は7月25日にWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(米国)に挑戦するが、スーパーバンタム級の4団体統一を成し遂げて、さらにビッグマッチをこなしていった後に、対戦相手がいなくなれば、フェザー級へ転向する可能性はゼロではない。
 もし数年先に井上が5階級制覇に挑戦するならば、先に堤はフェザー級の世界王座に君臨しておき、モンスターの挑戦を受けるというドリームプランを掲げたのだ。アマ時代に、井上のスパー相手を何度か務め、そのとてつもない実力を肌で知っているからこそ、世界最強の男を超えることをあえてプロボクサーとしての大目標に設定した。
「プロ2戦で減量の仕方やリカバリーの体重の戻し方などを色々と学んだ。このままフェザー級に留まれると思う。井上尚弥さんも、フェザー級以上は無理だと思うし、この階級で成長して強くなりたい」
 ここまでプロで2連勝しているが、初戦は6キロ、2戦目は8キロも計量後のリカバリーで戻った。まだコンディション調整は、試行段階だが、フェザー級を主戦に戦えるという感触はある。
 “ネクストモンスター”として名乗りを上げるには、まずは東洋のベルトを奪取しなければならない。獲得に成功すれば元3階級制覇王者の田中恒成(畑中)、ロンドン五輪銅メダリストで7月25日に世界戦が決まっている清水聡(大橋)の4戦目を更新する日本男子最速記録となる。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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