なぜ鎌田大地がACミランと4億4550万円で契約基本合意の伊メディア報道が出たのか…争奪戦の背景を検証
今シーズン限りでアイントラハト・フランクフルトを退団する日本代表MF鎌田大地(26)が、ACミランと年俸300万ユーロ(約4億4550万円)で基本合意に達したと、13日(日本時間14日)にイタリアメディアが報じた。同じドイツのボルシア・ドルトムントやスペインのバルセロナとアトレティコ・マドリード、ポルトガルのベンフィカが候補に上がってきたなかで、伏兵的な存在だったイタリアの名門がなぜ本命に躍り出たのか。
移籍金ゼロの魅力
鎌田の獲得レースが、伏兵の登場とともに急展開を見せた。
イタリアのサッカー専門サイト「calciomercato.com」が、鎌田の来シーズン所属先として「ミランが基本合意に達した」と報じた。これまでも候補のひとつとして名前が報じられながら、状況を注視する存在だったミランについて、記事は次のように伝えている。
「ミランと鎌田との間で続けられてきた交渉は、ここ数時間で極めて重要な進展を見せた。私たちが入手した情報によれば、両者は年俸300万ユーロ(約4億4550万円)で基本合意に達した。これにより、鎌田の獲得レースでミランが主導的な立場になった」
契約満了に伴って6月末にフランクフルトを退団。移籍金が発生しない形でチームを移れる鎌田に対しては、ゴールに関われる中盤として高く評価される状況と相まって、今年に入ってからヨーロッパの名だたるクラブが興味を抱いていると報じられてきた。
そのなかで2月下旬には、同じブンデスリーガ1部の強豪ドルトムント移籍が口頭で合意に達したと複数のドイツメディアで報じられた。しかし、正式発表がないまま交渉決裂が伝えられ、次なる候補としてラ・リーガ1部のバルセロナとアトレティコ・マドリード、さらに昨夏にも移籍寸前までいったポルトガルの強豪ベンフィカの名前が上がった。
先週末には33年ぶりにセリエAを制したナポリが、来シーズンへ向けた補強リストの上位に鎌田をすえていると、イタリアのスポーツ紙「Corriere dello Sport」が報じた。セリエAのライバルの動きがミランを突き動かしたのか。同紙は続報記事でこう報じている。
「先に動いたのはナポリだったが、ミランの参戦で交渉がストップしている」
ミランはスポーツ・ディレクターを務めるフレデリック・マッサーラ氏、技術部門の責任者を務める元イタリア代表のレジェンド、パオロ・マルディーニ氏らが鎌田を高く評価しているという。さらに「10番」を背負い、トップ下でプレーするスペイン出身の23歳、ブラヒム・ディアスの動向もあり、ここにきて鎌田の獲得合戦に本腰を入れたとみられている。
年代別のスペイン代表に招集されてきたディアスは、2020年9月にレアル・マドリードから期限付き移籍で加入。当初の1年がさらに2年間延長された契約が満了に近づくなかで、来シーズンから完全移籍に切り替えるには多額の移籍金が必要な状況になる。