サポから戸惑いと批判の声…J1神戸vsバルサの最高額500万円などの高額チケットと未だ情報発信がないイニエスタ去就
イニエスタのマネジメント会社で、イニエスタ自身も共同創設者を務める「NSN」社が企画制作を担当。そのなかで7日にホームのノエビアスタジアム神戸での開催が決まっていた天皇杯2回戦を、急きょ14日に変更する異例の措置の末にバルセロナ戦を開催する。
しかし、スペインのメディアが神戸との国際親善試合開催を伝えてきたほぼ同じタイミングで、日本国内でも複数のメディアが今夏でのイニエスタの退団もしくは引退を報じた。さらに古巣との対戦が、神戸におけるイニエスタの最終戦になるという続報もあった。
もしも報道通りにイニエスタの見納めになるのであれば、国立競技場のスタンドで目に焼きつけたいと望む神戸のファン・サポーターも少なくないだろう。しかし、報道によれば、イニエスタの去就に関して神戸側は「守秘義務があるので」と言及を避けているという。実際、チケットの販売概要が発表された段階でもイニエスタに関するアナウンスはない。
12日には神戸のファン・サポーター有志連合、S.U.K.F.(Supporters Union for Kobe Football)が公式サイト上で、一連の動きに対して「クラブ側からの情報発信が十分でない状況を憂慮する」と表明。4項目の要請を展開する異例の行動に打って出た。
要請のなかで、イニエスタに関しては「クラブには、イニエスタ選手と神戸の5年にも及ぶ特別な関係の維持、発展を念頭におき残留交渉に全力で取り組んでほしいと考えております。なお、それが叶わず退団となる場合、バルサ戦を最終試合とせず、ホームである神戸開催試合でサポーターと直接挨拶の場を設けることについて約束を願います」と綴られた。
しかし、S.U.K.F.の要請に対しても、現時点で具体的な発信はない。
今回の国際親善試合は、主催はJリーグ、主管は楽天ヴィッセル神戸株式会社と東京都サッカー協会がそれぞれ名を連ねている。それを強調する上で、チケット販売概要には2カ所にわたって「本試合はヴィッセル神戸の主催試合ではございません」と記された。
それでも、天皇杯を主催する日本サッカー協会とJリーグに対して、2回戦の日程変更を申請した神戸側から何らかの発信があってしかるべきだろう。バルセロナ戦の開催や詳細が発表され、ノエビアスタジアム神戸のシーズンシートオーナーらに16日から先着先行販売が開始されるとアナウンスされても、戸惑いや批判の声が上がる状況は避けられない。
チケットの詳細は、15日午後8時半すぎに神戸のクラブ公式ツイッター(@visselkobe)でも発表され、16日早朝の時点で閲覧回数は28万件に達している。
しかし、すでにイニエスタの去就に関して「マスコミの報道はあっているの」や、指定席の最安値が2万5000円という価格に対して「ど平日+クソ高チケット+国立だれが行くん」や、あるいは「この価格に設定にした人のマーケティング能力って言うか感覚がヤバくない」といったリプライが、おそらくは神戸以外のファン・サポーターからも寄せられている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)