「機能していない中日ベンチと緊張感のなさを象徴する事件」なぜ立浪竜のエンドラン「サイン伝達ミス」三振ゲッツーが起きたのか…反撃機を潰して悪夢の7連敗
橋上氏は「それは難しい」という見解を述べる。
「カウント1-2からのエンドランはないわけではないんです。今の野球は、エンドランの可能性の高い平行カウントや、ストライクを取るカウントでは、バッテリーが、難しい球種を選択してくるため、カウント0-1や0-2といった本来はエンドランを仕掛けないカウントで裏をかいて作戦を遂行してくるケースが少なくないんです。その場合は、ベンチが絶対にストライクを投げてくるという確信を持つデータや勘が働くことが条件になりますがね。そう考えると選手側がタイムを取って確認してしまうと、逆に作戦がばれてしまうので、このケースで確認することは難しかったでしょう」
実際、20日の阪神―広島戦でも初回に新井監督はカウント1-1,1-2から2球続けてエンドランを仕掛けた。この際も大竹-坂本のバッテリーに見破られ失敗したが、100%エンドランがないわけでもなく選手に責任はない。
「ただ今回のケースの重要な問題がもうひとつあります」と橋上氏が指摘する。その重要な問題とは、「本来エンドランが出ないカウントで中日側が間違って出したサインを巨人に見破られていたことにある」と言う。
「原監督はサインを見破ってピッチドアウトすることが好きなんです。一気にゲームの流れを変えることができますからね。今回の一件で中日のサインがバレていたということがハッキリしました。立浪監督が、『キャッチャーも外しにかかっていたのでサインも含めて我々も反省してやらないといけない』とコメントしたのは、そういうことです。サインを見直す必要があります。ただでさえ戦力がなく、ミスに目をつぶって若手を使っているチームが、サインまでバレていては勝てるわけがないですよね」
先発の高橋がコントロ―ルに苦しみ、2回1死一塁からウォーカーにレフトのバルコニー席に飛び込む特大の先制2ランを許し、4回にも丸のタイムリーで3点目を失うと、立浪監督は5回二死一、二塁のチャンスに代打を送り4回で降板させた。