「フジナミの補強は大失敗だった」藤浪が昨季新人王への死球で大ブーイングの後に3失点…米メディアからは困惑評価と厳しい意見
前出のA’s Unleashedのブスチェック氏は「カバジェロから三振を奪ったあの98.6マイル(約158.7キロ)のフォーシームは完璧で、打たれようのない球だった。この男をどう評価すればいいのか、見当がまったくつかない。ポテンシャルは、とてもあるが、非常に不安定なのだ」と、困惑のツイート。
アスレチックスの地元ラジオ局KCBSのジョー・ヒューズ氏も「フジナミにとってまたしても厳しい中継ぎ登板となった。2回、2安打、3失点、1四球、4奪三振、1死球。(8回に)車輪が外れてしまう前までは綺麗に1イニングを抑えた。最初の打者4人のうち3人から三振を奪っていた」とし、ロドリゲスへの死球映像を添付した。
アスレチックス専門メディアUprootedは、「リリーフ登板で素晴らしい最初の1イニングを投げた後、フジナミは四球、死球、安打で満塁としてスアレスに2点タイムリーを許した」、「直近6度のリリーフ登板のうち、複数失点を5度許してしまった」、「ヘルナンデスから三振を奪って8回を終えたが、このイニングで3点を許して彼の制球にさらなる懸念を示した」と次々とツイッターに投稿。改善されない制球力を問題視した。
厳しい評価を下したのは スポーツメディアの「Bleacher Report」だ。
同メディアは、各チームの補強についての「MLBのすべてのチームでオフシーズンにやり直したいひとつのこと」という特集記事を掲載。現時点での失敗例を列挙した。
アスレチックスについてはズバリ「藤浪との契約」と指摘。
「ショーン・マーフィーとのトレードでアスレチックスが十分な選手を獲得できなかったと思っている者がいれば、出塁率.348でリーグトップの24盗塁の結果を出しているエステウリ・ルイーズをよく見るべきだろう。それよりもオークランドのオフシーズンでの大きな失敗は、日本人右腕、藤浪と結んだ1年330万ドル(約4億6000万円)の契約だ」と記した。
アスレチックスは、昨年12月にブリュワーズ、ブレーブスと大型の三角トレードを実施。レギュラー捕手のマーフィーを放出して、外野手のルイーズらを獲得したが、そのトレードの成否よりも、阪神からポスティングで獲得した藤浪の補強をやり玉にあげた。
同メディアは、「彼のスプリッターは確かに見ていて面白いが、27回2/3で、防御率12.69、被安打34、四球24を許していることについては、何も面白くない。彼のよい部分が、出ることにかける価値はあったが、(現段階で)その価値は何もなく下落傾向にあるようだ」と厳しい評価を与えた。
“貧乏球団”アスレチックスにおいて藤浪は、5番目の高額年俸選手で40人のロースター枠が保証されるメジャー契約。しかも本人の同意がなければマイナー落ちがないという契約を結んでいると見られている。5月の時点ですでにポストシーズン進出は絶望的で60勝102敗だった昨季から今季をチームの土台を作る過渡期と捉えているアスレチックスとしては、お金をかけた藤浪を簡単に“戦力外”にするわけにはいかず、ギリギリまで、メジャーで復調機会を与え続けたいという事情がある。まして通用する一面も見せているだけになおさら。まだ藤浪には生き残りのチャンスはある。