TG戦の明暗を分けた指揮官の采配攻防…プロ初勝利の桐敷を続投させた岡田監督の“慧眼”と好投の横川を交代させた原監督の“裏目”
阪神は、今季2度目の6連勝で貯金は「15」に増え、2位の横浜DeNAが中日に0-1で敗れたためゲーム差は5に広がった。
5月は16勝4敗。独走態勢に入ったかのようにも思えるが、岡田監督は、なにひとつ浮かれていない。チームの好調理由を「先発ピッチャーが頑張ってくれているから」と分析した上で、こう語った。
「これも積み重ね。こんなうまいこといくことはこれから先にないと思う。相手もいることだから負けることもある。それを何とか少なく。あんまり連敗しないようにね」
スポーツ各紙が報じたところによると、テレビ取材の後の囲み取材の中で、岡田監督は、「いやいや、そらまだまだやろ。(貯金)23でも勝てんかった」と語って、番記者を笑わせたという。
貯金「23」で勝てなかったのが2008年のシーズン。最大13.5ゲーム差をつけながら原監督が率いる巨人に逆転されて、岡田監督は辞任を決断した。矢野監督時代の2年前も、最大貯金「22」でヤクルトに優勝をさらわれた。歴戦の岡田監督は、この先のシーズンにまだまだ山も谷もあることを理解している。そういう意味で、今は、プラス材料をひとつでも多く構築しておかねばならない時期。
岡田監督は、8回に右肘の張りでファーム調整していたWBC戦士の湯浅を登板させた。本来は、この日、ファームで登板予定だったが、繰り上げ昇格させ「最初は楽なところで」と考えていたそうだが、1点リードの8回というプレッシャーのかかる場面での出陣となった。まだ制球は調整段階で二死から坂本に四球を与え、秋広にもボール3からレフト前にヒットを打たれたが、好調の岡本にアウトコース低めに威力のある151キロのストレートを投げ込みセンターフライに打ち取った。当面は、9回に3つの三振を奪って締めた岩崎のクローザーは動かさず、湯浅ー岩崎のパターンになりそうだが、手強いパ・リーグ勢を相手にする交流戦を前に中継ぎ陣が、ひとつ厚みを増した。
その交流戦まで巨人と残り2試合。
「明日、明後日は元気なピッチャーがいてるんで、ちょっと安心して交流戦を迎えたい」
今日27日は無傷の5連勝中の大竹、28日は才木が先発予定だ。
(文責・RONSPO編集部)