今日「日本ダービー」!1番人気“大本命”ソールオリエンスに挑む武豊とルメールの名手2人は“ダービーの呪い”を解けるのか?
競馬の祭典、第90回日本ダービー(G1、芝2400メートル)が今日28日、東京競馬場で行われる。注目は混戦と言われた皐月賞で圧勝したソールオリエンス(牡3、手塚)。前売りオッズでは、単勝1.9倍の1番人気に支持された。鞍上は2年前に鼻差でダービー初制覇を逃した横山武史(24)。その本命馬に挑むのが、重賞136勝のクリストフ・ルメール(44)が手綱を握る2番人気のスキルヴィング(牡3、木村)と連覇を狙うダービー6勝のべテラン武豊(54)の3番人気ファントムシーフ(牡3、西村)だ。だが、この名手2人が騎乗する2頭には“ダービーの呪い”が立ち塞がる。果たして歴史はどのような審判を下すのか。
過去10年で1番人気馬は3勝止まり
2020年生まれのサラブレッド7708頭の頂点を決める日本ダービーは、今年で節目の90回目を迎える。その注目のレースは騎手たちの戦いでもある。
今回1番人気に支持されたソールオリエンスの鞍上は、2年前に1番人気に支持されたエフフォーリアを任されながら鼻差で2位に終わった横山武。
「悪夢のような負け方だった」
その悔しさは忘れていない。G1で6勝しているが、まだダービー制覇はない。
今回はその雪辱の舞台。
「僕自身は成長しているはず。ソールオリエンスと一緒に、技術が上がった姿を披露できれば」
その経験を生かす。
皐月賞の勝ち方は衝撃的だった。タフな道悪競馬となる中、4角17番手から大外を回り、豪快な差し切り勝ち。ハイペースの展開が向いたとはいえ、底力がなければできない走りだった。競馬評論家で騎手としてG1で22勝している“アンカツ”こと安藤勝己氏も、レース後に「1頭、怪物がいたね」と目を細めた。
横山武は、「この馬の強さは僕が一番知っている」と胸を張った。
レース後は少なからず反動が気になったが、2冠へ向け、調整もすこぶる順調に運んだようで、最終追い切りは美浦のウッドチップコースで併走馬を3馬身追走。残り200メートルで並ぶとラスト11秒3の鋭さで、あっさりと抜き去ると横山武は、「リラックスしていて、いい雰囲気だった。勝ちたい」と自信と意気込みをストレートに口にした。
勝てば5大クラシック完全制覇の快挙となる手塚貴久調教師も「仕上がりは申し分ないし、広いコースになるのもプラス。こんな重圧は初めてだが、めったにないチャンスなので、ものにしたい」と力強かった。1番人気に支持されるのも当然だろう。
皐月賞と日本ダービーの制覇を果たせば、史上25頭目。無敗での2冠となれば、2020年のコントレイル以来8頭目となる。3枠5番もコントレイルと同じ好枠だが、過去10年で1番人気馬の成績は3勝止まり。2着2回、3着2回と、連にはかなりの確率で絡むが、簡単には勝たせてくれない。
皐月賞馬の1番人気も6頭いたが、勝ったのは2015年のドゥラメンテとコントレイルの2頭だけ。それほどダービーというレースは難しい。ただ不思議ではあるが50、60、70、80回と、節目のレースは1番人気馬が4連勝中。90回目を迎える今レースで、ソールオリエンスは、その不思議な連勝記録を伸ばすことができるのだろうか。
2007年にウオッカ、2008年にディープスカイでダービーを連覇している四位洋文調教師に話を聞くと、「ここまでのプロセス、皐月賞の内容から1強だろうね。横山武史ジョッキーも勢いあるしね。あとは、ダービーに対して、彼がどんな思いでいるか。重圧は半端ないし、ヒリヒリするようなレース。簡単に勝てるレースではないからね」という見解だった。
ライバル達も黙っていない。
出走表を見て四位調教師が、こう続けた。