どうなる?!吉田麻也のシャルケ退団報道で浮上してきた14年ぶりのJリーグ復帰説
ブンデスリーガ1部のシャルケに所属する元日本代表DF吉田麻也(34)の今シーズン限りでの退団を29日までに複数のドイツメディアが報じた。昨夏に1年契約で同クラブに移籍した吉田は、公式戦25試合以上の出場と1部残留で契約が1年延長されるオプションが設けられていたが、17位に終わったチームの2部降格で退団が決定的になったもの。2009年以来のJリーグ復帰が選択肢に入る可能性が出てきた。
チームは2部降格も正念場で4試合出番なし
シャルケに加えてサウサンプトン(プレミアリーグ)、サンプドリア(セリエA)と、ヨーロッパの5大リーグで吉田が所属したクラブがすべて2部降格を喫した今シーズン。ベテランの域に達して久しい吉田自身のキャリアも、大きな分岐点を迎えようとしている。
ドイツの一般紙「Bild」は「2部降格が決まったシャルケはどうなったか」と題した記事で、最終節から一夜明けた28日のチームの動きを詳報。クラブハウス内で催されたブランチで、今シーズン限りでチームを去る9人の選手が見送られたと伝えている。
そして、9人のなかに吉田の名前が含まれていた。
同メディアは「チーム予算が3600万ユーロ(約54億円)から1800万ユーロ(約27億円)へ半減するシャルケから、スター選手がいなくなる」と来シーズンのチーム編成に言及。副キャプテンを務めた吉田に関してはたったひと言、次のように触れている。
「契約延長が彼の救済につながるはずだった」
シャルケが拠点とするルール地方のニュースを、サッカーを中心に幅広くカバーしているメディアの「RUHR24」も、同じく短い文言で吉田の今後に関して言及した。
「彼の契約は2023年6月30日をもって満了を迎える」
吉田は2年半所属したサンプドリアを、契約満了に伴って昨年6月末に退団。W杯カタール大会を見すえて、ヨーロッパのトップリーグでのプレーを何よりも優先させたなかで、1年でのブンデスリーガ1部復帰を果たしたシャルケへ同7月に加入した。
契約期間は1年。さらに1年の延長オプションが設けられ、公式戦25試合以上の出場とチームの1部残留をともに達成した場合に自動的に発動される契約だと、昨年末に「Bild」で掲載されたインタビュー記事のなかで吉田自身が明らかにしていた。
個人的な条件は3月中旬の段階で、リーグ戦だけで25試合出場をクリアした。しかし、チームの成績が伴わない。第7節から泥沼の8連敗を喫するなど、前半戦を最下位でターンしたシャルケは、17試合終了時で総失点がリーグ最多の「41」を数えていた。
批判の矛先は全試合に先発し、若手が多いセンターバック陣をリードする役割も託された吉田へ向けられた。例えばシーズンの中間総括で「Bild」はこう言及している。
「吉田は失点が多い理由の一部分として見られている。特にスピードが不足しているという理由で、直接的な批判を浴びるケースも多い」
それでも冬の移籍市場で、ドイツ出身のモリッツ・イェンツを獲得してからは吉田とのコンビが機能。一時は4試合連続無失点を含めて8戦連続負けなしをマークする巻き返しに成功し、FW浅野拓磨(28)が所属するボーフム、MF遠藤航(30)やDF伊藤洋輝(24)、MF原口元気(32)が所属するシュツットガルトを熾烈な残留争いに巻き込んだ。
しかし、イェンツが負傷離脱した4月以降で再び失速。吉田も左太もも裏を痛めて戦線離脱を余儀なくされ、復帰後は一転して試合に絡めなくなった。残留へ向けてひとつも負けられない、文字通りの正念場となった最後の4試合ですべて先発から外れている。