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  • 「スライダー軌道の真っ直ぐを上手く使っている」なぜ阪神の村上はパ相手にも通用したのか…“WBC戦士”源田ら8回無四球1失点に抑えられた西武打線が感じた理由とは?
阪神の村上が苦い思い出のある球場で8回を無四球の1失点に抑えて5勝目。規定投球回数に達して防御率は1位となりチームも9連勝だ
阪神の村上が苦い思い出のある球場で8回を無四球の1失点に抑えて5勝目。規定投球回数に達して防御率は1位となりチームも9連勝だ

「スライダー軌道の真っ直ぐを上手く使っている」なぜ阪神の村上はパ相手にも通用したのか…“WBC戦士”源田ら8回無四球1失点に抑えられた西武打線が感じた理由とは?

  阪神が30日、ベルーナドームで西武に3-1で快勝。セパ交流戦の開幕ゲームを白星で飾り連勝を9に伸ばした。ヒーローは先発の村上頌樹(24)。8回を4安打無四球1失点に抑えて5勝目をあげ、2年前のデビュー戦での苦い思い出のある球場で成長した姿を披露した。規定投球回数に達して防御率1.41は1位で、奪三振数54も1位タイ。なぜ村上はパ・リーグ相手にも通用したのか。その秘密を対戦した西武打線の声から探った。

 防御率1位に浮上「嫌な球場がいい球場になってよかった」

 

 2年越しのリベンジを果たした。
 プレーボール前までは嫌な思い出しか残っていなかった敵地ベルーナドーム。一転して試合後にはヒーローインタビューに指名された村上が声を弾ませた。
「本当に嫌な球場だったんですけど、いい球場になってよかったです。2年前とまったく同じ日に投げさせてもらったので、少し緊張したんですけど」
 2021年5月30日。東洋大からドラフト5位で入団したルーキー右腕は、当時はメットライフドームという名称だった西武の本拠地で一軍初登板を先発で果たした。しかし、結果は3回と持たずに5失点KO。阪神が逆転勝ちしたため負け投手にこそならなかったものの、3安打を浴びただけでなく3四球と自慢の制球も乱れ、翌日には一軍登録を抹消された。
 あれからちょうど2年。再び巡ってきた西武との交流戦で、すべてにおいて成長した姿を見せつけた。対する西武がいかに村上を意識し、そして警戒していたか。
先頭の近本光司が初球を叩き、右中間フェンスを直撃する三塁打でチャンスを作った初回。左打席に中野拓夢を迎えた場面で、西武ベンチが指示した守備陣形がすべてを物語っていた。
 内野手に前進守備を指示。初回から1点も与えない陣形を取った西武の松井稼頭央監督は、阪神の先発が村上だったからか、という問いに「もちろんそれもありました」と即答。自軍の先発がアンダースローの與座海人だった点も踏まえながらこう続けた。
「ロースコア(の戦い)になるのかな、というのも含めて。左バッターだったので、與座の場合はゴロになるんじゃないかと。それもあって前進(守備)にしました」
 しかし、中野の打球は右翼線を襲う。突っ込んできた愛斗が無理だと思い留まるも、目前でワンバウンドした打球は、無情にもその頭上を越えていった。処理ミスで、連続三塁打となり、わずか4球で先制し、続くノイジーの遊ゴロの間に中野も生還した。
 村上にとって、2点は十分すぎるほどの援護だった。
 初回と2回を10球ずつでともに三者凡退に抑える。先頭の鈴木将平に初ヒットをセンター前へ運ばれた3回は、9番の若林楽人にレフト前タイムリーを浴びて1点を返された。さらに若林に盗塁を許したピンチで、2年前に3ランを喫した愛斗を136kmのツーシームで三塁ゴロに、2番・マキノンを146kmの直球でライトフライに難なく打ち取った。
 続く4回も先頭の外崎修汰にレフトフェンス直撃の二塁打を浴びる。一打同点のピンチで4番・渡部健人を132kmのフォークで三球三振に、5番・源田壮亮を133kmのフォークで二塁ゴロに仕留める。昨シーズンまでのチームメイトで、村上自身が「ちょっと怖かった」と苦笑した6番・陽川尚将のバットも、135kmのフォークで空を切らせた。
 以降で許した走者は、5回にレフト前ヒットを放った若林だけ。6回以降はすべて三者凡退に抑えた。ストレート主体から変化球主体に変えた配球もはまり、村上は8回を112球、4安打無四球9奪三振1失点で、3人で締めた湯浅京己にバトンを渡した。

 

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