なぜ西武は阪神の連勝を9でストップできたのか…打順変更に2つのバント&5人で5回の小刻みリレー
今季から指揮を執る松井監督は始動時から、長年の課題でもある1番打者を固定できない状況に頭を悩ませていた。48試合を終えた段階で、源田は実に6人目のトップバッター。2番打者にいたっては13人を、1、2番の組み合わせも20通りを数える。
先週末のオリックス3連戦の第2戦からは、WBC期間中に負った右手小指の骨折から復帰した源田をクリーンアップの一角となる5番で起用。プロで初めて会見する打順に驚きを込めながらも、キャプテンの立場から源田は首脳陣の胸中をくみ取っていた。
「チームとして何がいいのか、というのをおそらく首脳陣も探しているところなのかなと思っているので、自分としては任されたところで頑張るだけですね」
その源田を切り込み隊長にすえた新打線が機能した。
4回には5月7日のオリックス戦以来となる先発で起用された39歳の大ベテラン、6番の栗山が貴重な追加点となる今季1号ソロをライトのポール際に放つ。迎えた7回も、確実にバントで送って一死一、三塁のチャンスを作った。阪神は、犠打で打線をつなげて、9連勝の勢いを作ったが、今日の西武は、そのお株を奪っていた。
しかも、源田にベンチが託したのは、相手の意表を突く初球のセーフティースクイズ。ファーストの大山悠輔の必死のバックトスの前に三塁走者の鈴木将平が憤死したが、川越が四球で繋いだ二死満塁から外崎がダメ押しの2点タイムリーをセンターへ運んだ。
「あれは大山選手の守備がすごかったですね。(打順に関しては)あまり気にしていないというか、いつも通りに、与えられたところで頑張るだけです」
2得点と1番打者の役割をしっかり果たした源田は、特に約1年8カ月ぶりとなる先発マウンドに立った本田を援護した、初回の先制点に表情をほころばせた。
「初回にピンチを迎えた本田が粘って、ゼロで終えていたので」
チャンスを広げる送りバントに加えて、四球も2つ選んだ川越も続く。
「(2番は)去年も何回かありましたけど、あまり気にせず、いつも通りにやればいいと言われていました。四球を選ぼうとしているわけではなくて、しっかり打ちにいったなかでボールだと思って見逃した結果ですけど、まずは(ヒットを)1本打って、波に乗りたいですね」