アマ13冠の堤駿斗がプロ3戦目でOPBF東洋太平洋フェザー級の王座を3-0判定で獲得した。日本最速記録だ。
「大谷翔平流の卵が…」“アマ最高傑作”の堤駿斗がプロ3戦目の最速記録で東洋王者になれた理由とは?
リング上ではアナウンサーにプロ4戦目での世界王座奪取をあおられた。次戦で世界戦が実現して勝てば、田中恒成の持つ5戦目を抜き、国内最速記録更新となる。だが、世界的に選手層が厚いフェザー級は簡単にマッチメイクのできる階級ではない。ロンドン五輪銅メダルの清水でさえ、この7月の世界挑戦にこぎつけるまでデビューから7年もかかった。
「この結果ならまだ厳しい。あせらず地道に」
リング上でそう答えた。
世界経験のある敗者も堤をこう評した。
「距離感がいい。ジャブも強くポイントを取るのがうまかった。パンチが当たらなくて悔しいよ。ただ世界王者になれるかどうかはまだわからないね」
負け惜しみではなく、彼もここから先の堤の課題を感じ取ったのだ。
それでも堤は、こんな青写真を描く。
「最初から最後まで組み立てるプロのボクシングは身についたが、冷静過ぎるのが、よくない面もあり、もっと勉強していきたい。ただ少しずつプロとしての進化は感じる。ここから4、5、6戦で一気に化けられる手応え、プロのタイミングをつかみつつある」
ここから3戦と言えば1年後か。その未来は眩しいほど明るい。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)