虎は四球で給料が上がる?!好調阪神を支える四球増の秘密…岡田監督が球団に掛け合った査定ポイントのアップにあった!
阪神の“つなぐ野球”の象徴である今季の四球増の秘密が明らかになった。2日に公開されたABCテレビ公式ユーチューブチャンネル「虎バン」での岡田彰布監督(65)とOBの掛布雅之氏(68)の豪華対談の中で明らかになったもの。岡田監督が開幕前日に球団に掛け合い、四球の査定ポイントのアップを取りつけたという。交流戦開幕カードの西武戦では快勝のあとに連敗。2日のロッテ戦が雨天中止となったことで、5日の予備日に振り替えられ、今日3日から9連戦を戦わねばならなくなったが、今季の阪神はチームとフロントが一体となって“アレ”に向かって突き進んでいる。
四球数179は12球団トップ
交流戦の西武との開幕カードは1勝の後に連敗となったが貯金「16」、2位の横浜DeNAとは5ゲーム差があり、まだまだ戦いに余裕がある。5月20日の広島戦から30日の西武戦まで9連勝。12球団トップのチーム防御率2.66が示す投手力など、チームを勢いづかせている要因は、いくつかあるが、好調理由のひとつが“つながる打線”だろう。
その打線のつながりを生んでいるのが、これもまた12球団トップのチーム四球数だ。現在は、179あり、1試合平均にすると、3.7個。このままのぺ―スでいくと、シーズンで529個の四球数を記録することになる。昨年は、リーグ3位の358個だったから岡田体制になっていかに四球が増えたかがわかる。
選手別で見てみると、近本が31個でトップ、次が大山の30個。中野の25個、佐藤の23個と続き、木浪、梅野が12個、ノイジーが11個となっている。
なぜ四球が増えたのか。
岡田監督は、「四球はヒット1本と同じ」と話し、選球眼の向上をずっと訴えてきたが、実は、その理由のひとつが、阪神の中継に力を入れているABCテレビ(朝日放送)の人気ユーチューブ番組「虎バン」で企画して、この日、公開された「岡田×掛布」レジェンド対談の中で明らかになった。
掛布氏が、四球の増えた理由を聞くと、岡田監督は「これまではボール球を振っての凡打が多かったんでね」とした上で、「開幕の前の日に球団に言うたんですよ。フォアボールの(査定)ポイントをちょっと上げてくれと。了解を得てね。前日の選手ミーティングで選手に(四球の査定ポイントが上がったことを)言うたんですよ」と明かしたのだ。
プロ野球選手の年俸は、1試合、1試合の「走攻守」のすべてをポイント化して査定、その合計の査定ポイント数をもとに来季の年俸が弾き出される。項目によってポイントの基本数値が違い、もちろん、シングルヒットよりも、二塁打、三塁打、本塁打の方が高いし、タイムリーヒットとなると、打点のポイントが加算されることになる。四球にも基本のポイント数値が設定されているわけだが、その四球の査定ポイント評価をアップすることを岡田監督が、開幕前に球団に掛け合って、フロントの了承を取り付け、横浜DeNAとの開幕戦の前日のミーティングで選手に伝えたというのだ。
「1ポイントが1.2ポイントとかね」と、岡田監督は、例え話として、四球の査定ポイントの基本値が、どの程度増えたかも明かしたが、プロ野球選手は、個人事業主であるから、ただ「ボール球を振るな、四球を選べ」と、号令をかけるより、それが給料に跳ね返ってくるとなると、説得力が違ってくる。
「競っているときのフォアボールはヒットと一緒。1ポイントが、1.2ポイントになるだけで、あんだけフォアボールが増えるとはねえ(笑)」