日本選手権の女子100mハードル決勝の誤表示問題で振り回され、世界陸上代表内定を逃した福部真子(右)は号泣した(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
なぜ陸上日本選手権で女子100mハードルの1位→4位の“誤表示”が起きたのか?…天国から地獄の福部真子に同情の声と優勝した寺田明日香の苦言…世界陸上代表はどうなる?
福部は参加標準記録を満たしているとはいえ、日本選手権は4位。同大会で3位以内に
入った寺田、青木、田中の〝結果〟次第となる。「期限内(7月末)までの参加標準記
録(12秒78)を突破」もしくは「基準ワールドランキングにより参加資格(ターゲット
ナンバー40)」を得た選手が2名以下なら、日本代表を得ることになるが、どうなるの
か。
5月30日時点のワールドランキングは田中が34位、青木が36位、寺田が67位。日本選手権の結果はまだ反映されていないだけに、寺田は大幅に順位を伸ばしてくるだろう。大
会カテゴリーの高いアジア選手権で好タイムを出せば、さらに順位を上げることができ
る。福部の日本代表入りはかなり〝微妙〟な位置にいるといえそうだ。
そう考えると、日本選手権の〝誤表示〟は選手のメンタルに大きなダメージを与えてしまったのかもしれない。ミスは誰にでもある。しかし、今回は選手たちが非常にセンシティブな状況だっただけに、もう少し冷静に対応すべきだっただのではないだろうか。
(文責・酒井政人/スポーツライター)