「人々のために(勝った)」加藤未唯が全仏混合ダブルスで初の決勝進出も騒動収まらず…ボールガール直撃失格問題で”非難殺到ペア”を破った豪州選手が”やりすぎ”ツイート
テニスの全仏オープンの女子ダブルス3回戦でボールガールにボールをぶつけたことで失格処分となった加藤未唯(28、ザイマックス)がティム・プッツ(35、ドイツ)と組んだ混合ダブルスの準決勝で女子ダブルスのパートナーであるアルディラ・スーチャディ(28、インドネシア)とマトヴェ・ミデルクープ(39、オランダ)組を7-5、6-0のストレートで下し初の決勝進出を決めた。混合ダブルスの準決勝が話題になることは多くないが、海外メディアも報じ「テニスファンは彼女をずっと応援している」との声もあった。一方で、失格を審判に強く訴え、しかも警告から失格に変わった処分を聞いてほくそ笑むなどスポーツマンシップが問題視されているマリエ・ブズコバ(24、チェコ)、サラ・ソリベストルモ(26、スペイン)組を前日の準々決勝で倒したエレン・ぺレス(27、豪州)が「人々のために(勝った)」と、いささか度を越した”やりすぎ”ツイートをするなど、いまだにバッシングの声は収まっていない。
涙なき初の決勝進出
もう涙はなかった。
準々決勝を勝った後にコート上で感極まり、その後の記者会見では、ボールガールにボールをぶつけて失格処分となったことについて質問され、涙して、途中退室するなどした加藤が、この日は、すべてを吹っ切ったかのようにコート上で太陽のような笑顔を弾けさせた。
相手は女子ダブルスのパートナーで、共に失格処分となり、二等分するはずだった約640万円の賞金もポイントも失ったスーチャディ。
「パートナーに申し訳ない」と、ボールガールにぶつけた行為を謝罪していた加藤は、複雑な気持ちだったかもしれないが、互いに熱のこもったフェアプレーを続け、加藤は、リターンエースや、サービスエースを見せるなど、溌剌とした動きで快勝、初の決勝進出を決めた。
混合ダブルスのしかも準決勝を海外メディアが取り上げることは多くないが、世界的騒動の当事者である加藤の試合には注目が集まっていた。
英デイリーメール紙は「日本のテニス選手、加藤未唯が全仏オープンの混合ダブルスで決勝へ進出…ボールガールに球をぶつけて失格となった女子ダブルスのパートナーを破る」との見出しを取り、決勝進出を伝えた。
記事は、まず「加藤は、女子ダブルスの失格の次の日にやってきた(混合ダブルス準々決勝の)勝利の後に涙を流し、ドイツ選手のパートナー、プッツによって慰められなければならなかった」と、前日の準々決勝の様子を紹介。
そして「今回(の準決勝)の彼女はパートナーと抱擁を交わし、皮肉にも女子ダブルスのパートナーで準決勝の相手となったスーチャディと握手をして大きな笑顔を見せた」とリポートした。
オーストラリアのニュースサイトnews.com.auは、「テニスファンは彼女をずっと応援している」とも報じた。
一方で加藤がボールガールにボールをぶつけた後に一度は警告が出されたが、ブズコバとソリベストルモが、失格を訴えて猛烈抗議した際の音声が入った映像が拡散。「(ボールガールは)怪我もしてない」と警告止まりにしようとした審判に2人は「失格じゃないの」「わざとじゃないの」「泣いているじゃないの」などと詰め寄り、結局、協議した後にスーパーバイザーが失格を決定した。
失格を勝ち取った際に、ほくそ笑むなど、そのスポーツマンシップに欠けた行為が、世界中のテニス関係者やファンからバッシングを浴び、ソリベストルモの公式インスタには7000件以上の非難メッセージが殺到。一時的に閉鎖するほどの騒ぎとなった。
とてもテニスに集中できる環境になかったのか、前日の準々決勝では、ぺレス、ニコール・メリチャー(米国)組にストレートで敗れた。