• HOME
  • 記事
  • テニス
  • 「処分取り消しと賞金(約640万円)ポイントが戻るのを願う」全仏混合ダブルスで失意乗り越え優勝の加藤未唯が異例Vスピーチ
女子ダブルスでボールガールへ球をぶつけ失格処分となっていた加藤未唯が混合ダブルスでグランドスラム初優勝を果たす(写真・AP/アフロ)
女子ダブルスでボールガールへ球をぶつけ失格処分となっていた加藤未唯が混合ダブルスでグランドスラム初優勝を果たす(写真・AP/アフロ)

「処分取り消しと賞金(約640万円)ポイントが戻るのを願う」全仏混合ダブルスで失意乗り越え優勝の加藤未唯が異例Vスピーチ

 10ポイント制のタイブレークで争われる最終セット。3-3から怒涛の5連続ポイントを奪った加藤・プッツ組が一気に流れをつかんだ。ポイントのなかには加藤のボレーもあれば、プッツと重なりかけながらも「私が打つ」とばかりに、バックで強気に返した加藤のリターンもあった。躍動する身長156cm体重49kgのヒロインを、会場も手拍子で後押しした。
 最後は9-6からビーナスのリターンがネットにかかる。ボレーを狙っていた加藤は振り向き、両手をローラン・ギャロスの青空へ広げながら笑顔を弾けさせた。

 京都市で生まれ育った加藤は7歳から始めたテニスで、最初にダブルスで頭角を現した。2017年の全豪オープン女子ダブルスでは、ジュニア時代からお互いを知る穂積絵莉(29、日本住宅ローン)とのペアで、堂々のベスト4へ進出している。
 四大大会優勝者として歴史に名を刻んだ。日本人選手による全仏オープン混合ダブルス制覇は1997年の平木理化、昨年の柴原瑛菜に続く3人目の快挙だ。ただ最後は息もぴったりだったプッツとのコンビは、次のウィンブルドンでは見られそうにない。
ドイツの一般紙「Bild」が、プッツの今後を伝えている。
「ウィンブルドンでは、プッツはおそらく混合ダブルスに出場しない。それでも、男子ダブルスのタイトルを長く欲してきた彼は、混合で手にしたタイトルに『ちょっと変な感じがするけど、混合もとても楽しかった』と語った。さらに『次に混合で出場するとしたら、そのときは未唯と一緒かな。ニューヨークでは再び混合で会えるかな』と続けている」
 取り消しを訴えた処分の今後の扱いなど、まだ解決されていない問題は残るが、いろんな意味で世界の注目を集めることになった加藤は、7月3日開幕のウィンブルドンで、因縁の女子ダブルスと新ペアでの混合ダブルスに続けて挑むことになる。

関連記事一覧